白い砂と旅立ち
村尾るみこ アフリックは20周年を迎えた。その年月より少し長い間、私はザンビアで調査をしている。それと同じ期間に、ザンビアの町でずっと仲良くしてきた「町のお母さん」がいた。彼女はアフリック2022年度会報の、栄えある表紙…
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村尾るみこ アフリックは20周年を迎えた。その年月より少し長い間、私はザンビアで調査をしている。それと同じ期間に、ザンビアの町でずっと仲良くしてきた「町のお母さん」がいた。彼女はアフリック2022年度会報の、栄えある表紙…
村尾るみこ 「家がないなら嫌、畑があっても」 そういったのは、ルーシー(仮名、女性)だ。ザンビア西部の農村地帯にある難民定住地で、アンゴラ難民の第二世代として生まれた。彼女が嫌がっているのは、難民定住地に隣接してつくられ…
村尾 るみこ 「ワシャ委員会では、まず、1)トイレを屋根・フェンスで囲うこと、2)床を掃き清めて・・・」 元難民のラシャはそれまでの淡々とした語りぶりとはちがい、語調を強めて勢いよく話し出した ザンビアの難民定住地に隣接…
村尾 るみこ 「私は2005年にザンビアからアンゴラへ帰ってきた。でも当時、このあたりは地雷が多くて、撤去してもらったんだ」 アンゴラの小さな川沿いにある集落で、老人ネゴが静かに語る。私はアンゴラ紛争前後の村での生活に関…
村尾 るみこ ザンビアで搗く、といえば、主食のシマ(練粥)をつくるときに行われることが一番に思い浮かぶ。ザンビアのシマといえば、トウモロコシでつくるのが一般的だ。植民地期、植民地政府によって、都市部や国内の銅鉱山の労働者…
村尾 るみこ 日本でもコンビニやカフェ、ファーストフード店で売られている、甘い飲み物、甘いデザートとして有名な、タピオカ。タピオカは英語でキャッサバとよばれる熱帯作物で、私たちはいわゆるその根っこを食べている。 相対的に…
村尾 るみこ アフリカで調査をしていて、人びとが歌を歌う場に遭遇する機会はたくさんあると思う。 教会、学校、乗合バスやバーなどで、それはある時申し合わせたかのように、しかしごく自然に始まる。そして決まって3重、4重のハー…
成澤 徳子 ザンビア南部に暮らすトンガの人びとにとって、乾季は祝いの季節である。終日畑仕事に追われる雨季が明け、どの家の穀倉も主食のトウモロコシでいっぱいとなる6月、村びとの間ではたくさんの行事の予定で話題が持ち切りとな…
成澤徳子 日曜日は唯一、畑仕事が休みの日。朝からおめかしをして教会へ出掛けた人びとが、お腹をすかせて家路を急いでいる。だが休みだからといって、もたもたお昼を食べてはいられない。男性はサッカー、女性はネットボールと、午後は…
村尾 るみこ 日本に難民として庇護を求める人びとは、船や飛行機でやってくる。 アフリカの国に難民として庇護を求める人びとは、大半が歩いてやってくる。 そうして陸続きのアフリカの国ぐにでは、国境はあってないよ…
村尾 るみこ ザンビア共和国西部の、とある村。この村は、西隣のアンゴラまで100kmの距離にある。アンゴラは2002年まで、半世紀近くも紛争が続いた国だ。アンゴラ国境からはやや遠い村であるが、ここにはアンゴラ難民が数人住…
岡本 雅博 ザンビアのとある町でバイクに乗っていたときのこと。顔見知りの警察官から「お前が乗っているバイクを貸してくれ」と言われたことがある。「いいよ。そのかわりおれにも護身用にあなたがもっているピストル貸してくれ」と私…
村尾 るみこ ザンビアのある村の夜8時ごろ、ちょうどどの家もごはんを食べ終わる時間になると、各家の炉のまわりにはその家の家族だけではなく、隣り合って住む親族や近所の者たちも集まってくる。彼らはたいてい「ちょっと遊びに来た…
成澤 徳子 「ねぇ、ちょっとちょっと!またしても、お尻丸見え状態じゃない!!どうしよう〜!?」と、畑の向こうから足早に戻ってきて、トイレットペーパー片手に朝っぱらから大騒ぎ。そんな私のようすを、「もう気付いちゃった?やっ…
村尾 るみこ 村でみるケンカは、いつでも、言葉でまくしたてる者が優勢な立場にある。とにかく、相手に口を挟む余地を与えない。特に、夫婦ゲンカがそうだ。些細な揉め事が、時には殴り合いに発展し、周囲にいる者がおもしろがって煽り…
成澤 徳子 日の出前、まだ辺りが薄暗いなか、村の一日が始まる。屋外のトイレで用を足し、水瓶から片手で水をすくって器用に顔を洗うとすぐに、男たちは犂を装着した牛を連れて、また女たちは種子や肥料を頭に載せて、一斉に畑へと向か…
村尾 るみこ 「ウェレラ!ウェレラ!ウェレラ!・・・」 チテンゲとよばれる腰に巻く布を振りかざし、砂埃をまきちらして数十人の女性と子供がマキシに掛け声をかける。 マキシとは、一般には現在アンゴラからザンビアにかけてすむい…
村尾るみこ ザンビアでは、特にここ10数年の間にどんな田舎町のマーケットでもずいぶんいろいろなものが売られるようになってきた。店舗数も増え、来客数も着実に増加している。それとあわせて、ちょっと買い食いして歩きながらでも手…
村尾 るみこ ザンビアの西側には、西隣のアンゴラから移住してきた人びとが住んでいる。 特に20世紀半ばから始まったアンゴラでの戦争を避けるため、 多くの人びとが難民となって逃げてきた。 2002年にようやく戦争がおわり、…
村尾 るみこ 私は今、ザンビアの西部州に来ている。思えば、ザンビアで新年を迎えるのは、2001年にはじまり今回で4回目だ。村でのにぎやかな新年や、タウンでの騒々しい新年は、日本での新年より不思議と濃厚に記憶に残っている。…