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最新のアフリカ便り
リリー・ブラウンは子どもがほしい
大門碧 ウガンダの首都、カンパラに足繁く通うようになって、人びとが他者を形容するときに肌の色についても言及することがあると気づいた。同じ名前を持つ女性を区別して呼ぶときに、名前のあとにその人の肌の色を続けて、たとえばリリ…
色を失った画家
井上真悠子 「タンザニアには、ティンガティンガって呼ばれてる絵があってね・・・」 私が初めてその絵を見たのは、大学の教室だった。その年、初めてのタンザニア渡航をひかえた私たちに、引率担当の先生が見せてくれたその絵は、薄暗…
「もうひとりの、わたし」
林 耕次 ある日、カメルーンの森から思いがけないメッセージが届いた。送り主は、調査で現地を訪れていた大石氏(アフリック・アフリカ会員)である。 「デデの息子のハヤシが、林さんと話したいと言っていますが、どうしましょう?」…
レインボー キラキラ・ポップに織りなす伝統
田中優花 ガーナの日常はカラフルだ。マーケットのつやつやしたビビッドカラーの野菜や果物、鮮やかな色使いがまぶしいプリント布、おもちゃみたいな色をした椅子やタライ。 色の候補はたくさんあったけれど、このエッセイを書くことに…
それはあなたの色―もらい手のない黒いキテンゲ
近藤史 タンザニアの女性たちが喜ぶ定番のプレゼントといえば、カンガやキテンゲと呼ばれる、カラフルなプリント布だ。すこし厚手の生地に大胆な柄が全面プリントされたキテンゲに対して、カンガはひとまわり小さい薄手の生地に、額縁の…
かき集めて、売る―若者と金
牛久晴香 友人が出稼ぎに行ったという。彼が村を離れたのは、じつに20年ぶりだ。すぐに電話をかけると、受話器の向こうから、巨大な掃除機が泥川をすするような、ボボボボ……という重たい音が響いてきた。 「俺、今ガラムセーに来て…
ムゼー・マンザのザンバラウの木(紫色)
八塚春名 東アフリカの共通語であるスワヒリ語で、紫色はザンバラウ(zambarau)という。ザンバラウは同時に、フトモモ科のSyzygium cuminiという樹木の名前であり、かつ、その木に実る紫色の果実の名前でもある…
きょうの太陽、あしたはなに色
山崎暢子 時間帯によって目に見える太陽の色は変わることになっているけれど、そこに、土地の人との交流がともなうことでも違った色に見える気がするという話をしたい(※1)。 フィールドに出かける前の古い記憶は継ぎはぎされている…
橙の地平線
桐越仁美 アフリカで見た橙色といえば、色鮮やかな布や、雨季に実るマンゴーの木の実、名前も知らない小さな花、料理に使われるパームオイルなどたくさんある。どれもそれぞれに印象的で思い出があるが、私が最初に思い浮かべたのは、月…
全身黄色になる
松浦 直毅 唐突だが、みなさんは全身黄色になったことがあるだろうか。私はある。何かの比喩でもなければ、そのような慣用句があるわけでもなく、実際に全身が黄色になった。黄色に統一した格好をしたわけでもなければ、着ぐるみだとか…
青空市場が日常という贅沢
藤本 麻里子 青をテーマにエッセイを書くことになり、私が真っ先に思いついたのは、調査地であるザンジバルの海だった。ザンジバルの海は青というより、珊瑚礁のエメラルドグリーンがより印象的だ。そんなザンジバルのエメラルドグリー…


