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最新のアフリカ便り
緑の服
山口亮太 今回のエッセイシリーズを担当するにあたって、僕がテーマに選んだのは緑だった。特に積極的な理由があったわけではないが、これまでに調査してきたカメルーンでもコンゴ民主共和国でも、僕は熱帯林地域に住み込んでいたため、…
赤いソウルフード:ゾウに脅かされるウガリ
岩井雪乃 「これを食べると『家に帰ってきた』って実感する」そんなソウルフードが、みなさんにもあるだろうか? 私にとってそれは、「赤ウガリ」である。 ウガリとは、タンザニアをはじめ、アフリカの多くの国で食べられている主食で…
いろいろな白:ダチョウの卵のビーズの話
丸山淳子 彼女たちの首を彩るのは、美しく磨きあげられた白いビーズの連なりだ。白いビーズは、深い茶色の木の実や縞々模様のヤマアラシの針と組み合わせられたり、色とりどりのガラスビーズ、ときに、毒々しいまでに鮮やかなプラスチッ…
白い砂と旅立ち
村尾るみこ アフリックは20周年を迎えた。その年月より少し長い間、私はザンビアで調査をしている。それと同じ期間に、ザンビアの町でずっと仲良くしてきた「町のお母さん」がいた。彼女はアフリック2022年度会報の、栄えある表紙…
アフリカ、色いろいろ
アフリカは、いろいろな色とともに、私たちの記憶に刻まれる。 乾燥した大地を覆う草の掠れた薄緑色。沈む夕日の強烈なまでの橙。ヤギの瞳の意外な黄色。予定通りに事が進まず見上げた空のあっけらかんとした青。おばあちゃんが履いてい…
研究とアフリックと私(会報第21号[2024年度]巻頭言②)
松浦直毅 2024年 5月、大阪大学で開催されたアフリカ学会で「研究と実践の融合」をテーマにしたフォーラムを開催した。アフリック 20 周年という節目に企画したものであり、登壇者はすべてアフリックのメンバーで、それぞれが…
ゾウプロジェクトからふりかえるアフリックの20年(会報第21号[2024年度]巻頭言①)
岩井雪乃 「ゾウだー! ゾウだー!」 6 月はトウモロコシの収穫期。つまり、ゾウがもっとも村にやってくる時期だ。毎晩のようにゾウが畑を襲ってくる。今、トウモロコシが一番おいしくなっていることを、ゾウもよくわかっている。ゾ…
アイスクリームの約束—「稼ぐ」
高橋 明穂 私のステイ先の女性はみんな商売をしていた。一番上のお母さん(第一夫人)は、毎日のように近くの市場で野菜や魚を仕入れに行き、村の小売店で販売していた。二番目のお母さん(第二夫人)は朝と夜にサンドイッチ屋をしてい…
また会う日まで――難民女性たちと月のもの対策を考える
山崎暢子 2014年にわたしは南スーダン難民が多く暮らすウガンダ北部のキャンプで、洗って再利用できる布ナプキンとその取扱説明書、肌着と石鹸を国際NGOが支給する場面に居合わせました(写真1、2、3)。多くの女性が明度の低…
「思い出す」―人類学者と動物たち
服部志帆 私が調査の対象としてきたカメルーンの「バカ」は、長いあいだ狩猟や採集、漁労を生業として暮らしてきた人々である。彼らの暮らす熱帯雨林は、ゴリラやチンパンジー、ゾウなど日本でも動物園でおなじみの哺乳類が野生状態で暮…
「茶をしばく」
松隈俊佑 当然だが、エチオピアの公用語であるアムハラ語の辞書に茶を「しばく」と訳される動詞はない(「茶をしばく」とは「お茶する」の意味で主に関西圏で使われる表現である)。しかし、エチオピアの大学に通っていると「ちょっと茶…