紙おむつ騒動
善積 実希 まだうんちはしてないなあ。 便秘かな?大丈夫かな? わたしの頭のなかはいつも息子のうんちとおしっこのことでいっぱいだ。家族のあいだでも、息子の排泄状態の情報交換は欠かせない。そんなとき 紙おむつが売っていない…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
善積 実希 まだうんちはしてないなあ。 便秘かな?大丈夫かな? わたしの頭のなかはいつも息子のうんちとおしっこのことでいっぱいだ。家族のあいだでも、息子の排泄状態の情報交換は欠かせない。そんなとき 紙おむつが売っていない…
善積 実希 「もう準備は終わった?」 「まだ着替えているよ!」 「ぼくはもう準備できたよ!」 朝の7時。40人ほどの子どもたちが一斉に身支度をしています。早くしないと学校に遅刻してしまいます。ここはケニアの…
目黒 紀夫 夏休みに学生をケニアに連れていった。そうすると、すっかりケニアに慣れ親しんでしまった自分にとっては当たり前だけれども、初めてケニアを訪れる身には予想外な物事があることに気付かされる。たとえば「チャイ」がそれだ…
目黒 紀夫 初めての出会いから約20年。わたしは駆け出しの大学教員となり、ジェレミアは間もなく父となる。ジェレミアはケニア南部に暮らすマサイの男性で、わたしの長年の調査助手であり親友だ。そしてまた、去年、わたしが初めて学…
目黒 紀夫 今年(2017年)の夏、はじめて自分の学生を自分のフィールドであるケニアに連れていった。まず首都のナイロビに数日滞在して、街中を散策したり現地の大学の講義を受けさせてもらったりした。それから一週間ほど、わたし…
孫 暁剛 東アフリカの乾燥地域は、降水量が少なく、降雨の季節的・地域的な変動が大きく、そして旱魃が不規則的に発生するという厳しい自然環境をもっています。狩猟採集や農耕はできないため、人びとはおもにラクダやウシ、そしてヤギ…
庄司 航 あるとき、私がケニアの首都ナイロビの街をぶらぶらと歩いていると、新しくショッピングセンターができているのをみつけた。携帯電話の店や、服屋、しゃれた食器を売る店などが並ぶ中に、ゲームセンターがある。あまり広くない…
目黒 紀夫 気がつけば2年がたち、またマサイ・オリンピックの季節がやってきた。 2016年12月10日、ケニア南部のアンボセリ国立公園にほど近いシダイ・オレン野生動物サンクチュアリで、第3回マサイ・オリンピックが開催され…
庄司 航 アフリカの国に行くと、道行く人からやたらと「ジャッキー・チェン!」と言われることは日本人であれば誰もが経験することだ。ケニアでも事情は同じである。 どういった経緯で中国アクション映画(香港映画も含めて)がこのよ…
善積 実希 ある日の朝。友人の家であったかくてあまーいミルクティーをご馳走になっている真っ最中、Lさんが突然やってきた。いつも温厚な彼の顔は、いつもと違ってとても怖い。彼は20代前半にして小学校の先生として働き、障害者支…
目黒 紀夫 真っ赤なカーネーションが目をひく露店。着飾った人びとが、カーネーションの花束やメッセージカードなどを見ている。2016年2月14日、日曜日。半年ぶりにおとずれたケニアの首都ナイロビで、僕が10年来のつきあいの…
庄司 航
目黒 紀夫 わたしの調査地で開催されているマサイ・オリンピック。記念すべき第1回(2012年)は見逃してしまったけれど、2014年12月に開かれた第2回大会は一部始終を見ることができた! しかも、その裏側についての話を関…
庄司 航 西ケニア州の村にて—— 教会の中に置かれた長椅子に座って待っていると、やがて牧師が入って来た。談笑していた人びとも、それぞれ椅子に座った。私の隣には調査助手のジョンソンと、私が滞在している家の少年ビクターが座っ…
目黒 紀夫 フィールドで一生懸命に家の仕事をしている子どもたちの姿を写真に撮ろうとカメラを向けると、たいてい子どもたちは作業を止めてしまう。そして、「さあ、いつでも撮っていいよ!」とばかりに何かポーズをとったり、「写真だ…
庄司 航 首都ナイロビにて。 線路を超え、川を渡って坂を少し上がったところに調査助手のジョンソンの家はあった。坂の途中から後ろを振り返ると、キベラスラムに延々と連なるトタン屋根が見えた。道沿いには野菜や服、雑貨や炭を売る…
庄司 航 ある日の朝、私が家の敷地内にある茶畑で茶葉を摘む作業をしていると、近くの木に鳥がやって来てとまった。敷地内でよく見かける鳥だった。 毎週火曜日と木曜日と土曜日に、茶葉を摘み、家の近所にある倉庫に持っていって茶の…
目黒 紀夫 わたしがフィールドで出会うマサイの男性がよく手にしているものといえば、杖である。槍を普段もち歩いているマサイなど、これまで見たこともない。しかし、もともと槍はマサイの男性——とくに「戦士」と呼ばれる若者——に…
庄司 航 ある日の午後、私は家の中で、調査の一環として作った植物標本を作製する作業をしていた。植物を折り曲げて新聞紙にテープではりつけ、数枚の新聞紙ではさむ。そうしてできた標本の束を2枚の板ではさみ、石で重しをして乾燥さ…
目黒 紀夫 「メーグロ、アタラポシェ?」(目黒、おなかいっぱいかい?) 「イーエ、アタラポシェ!」(うん、おなかいっぱいだよ!) マサイの母語であるマー語で、「わたしはおなかいっぱいです」は“Atalaposhe”という…