「うわさをやめよう、チンパンジーのようなキャンプは良くない」
関野文子 熱帯雨林のキャンプでの夕食時、大きな声が響きわたった。私は、カメルーンに暮らす狩猟採集民バカの人たちを調査するために彼らとともに森のキャンプに滞在していた。その声の主は、バイさんという年配の男性だった。何かと思…
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関野文子 熱帯雨林のキャンプでの夕食時、大きな声が響きわたった。私は、カメルーンに暮らす狩猟採集民バカの人たちを調査するために彼らとともに森のキャンプに滞在していた。その声の主は、バイさんという年配の男性だった。何かと思…
関野 文子 昼食を食べて落ち着いた昼過ぎ、アジェキ、ンボレ、ビビアなどいつものメンバーに「水浴びをしにいこうよ」と声をかけられた。私は、昼下がりに必ず村の女の子や女性たちと水浴びにいくのが日課になっていた。まだ日が高いう…
林 耕次 アフリカの熱帯雨林で人類学的な研究を長くつづけているが、人びとの排…
林 耕次 毎年、日本で初夏を迎える頃になると、物置から取り出してくる敷物(ござ)がある。 それは、カメルーン東部州の森林地帯に暮らす、定住した狩猟採集民バカ・ピグミーのおばちゃんに編んでもらった「ブング(búngù)」と…
小山 祐実 カメルーン東部には狩猟採集民ピグミーのバカの人たちが広範囲にわたって住んでいる。バカたちは甘いものが大好き。日本人と一緒にコーヒーを飲むときも角砂糖を最低4つはいれ、それでもまだ遠慮しているようだ。バカ語で味…
塩谷 暁代 庭の梅が少しずつ大きくなってきたよ、と息子が言いに来た。彼は、梅干しが大好きだ。今年も庭の梅が梅干しになる日を心待ちにしている。昨年は25キロの梅がとれた。その梅干しはもうない。息子が遊びに来る友達に「おもて…
原作:安岡 宏和、漫画:庄司 航 ※本作品は「中部アフリカ研究」のウェブサイト(URL:https://sites.google.com/view/casinkyoto/%E8%A1%A8%E7%B4%99?authus…
関野 文子 カメルーン東部州は森の果実が豊富に実る時期を目の前にしていた。私はピグミー系狩猟採集民バカの集落に滞在していた。曇り空の午前中、私の住む家の外でいつものように子どもが遊ぶ声がしてきた。しかし、今日はいつもと少…
塩谷 暁代 ここは中部アフリカ・カメルーン東部の村。政府統計上は人口2000人、とあるが村は閑散としている。歩いているのは、小さな子どもか中・高年の村人ばかり。若者の姿はほとんど見られない。それもそのはず、この村には小学…
服部 志帆 私はカメルーンの熱帯雨林に暮らす狩猟採集民バカ・ピグミーの研究をこれまで16年間ほど続けてきた。ここ数年は足が遠のいてしまっているが、20代前半から30代前半まではずいぶん多くの時間を森の民とともに過ごしてき…
山口 亮太 2010年8月、カメルーン共和国東南部での3回目のフィールド調査も残すところ2週間程度となった頃のことであった。下宿先の大家夫婦は朝から畑に出ており、僕は一人で家に残り、書きためたフィールドノートを読み返し、…
塩谷 暁代 中部アフリカに位置するカメルーン共和国。その首都ヤウンデの「台所」である市場は、今日も賑やかだ。わたしのフィールドは、村ではなく、畑でもなく、都市の市場である。この国は豊かだ、と心から思うのは、市場に溢れんば…
安田 章人 我々は、すぐに彼らの痕跡を見つけた。真新しい足跡と排泄物。どうやら、この小高い丘を登っているようだ。気づかれないように、そして臭いをかぎつけられないように、息を殺して風下から群れに近づく。丘を登り切ったとき、…
塩谷 暁代 気候や生態の多様性から「アフリカの縮図」とよばれるカメルーン共和国は、言語環境も多様で、250以上の言語があるといわれている。そんな多言語国家カメルーンの公用語は、フランス語と英語。フランス領から独立したフラ…
大石 高典 カメルーン料理に唐辛子は欠かせない。カメルーンのレストランに入ると、食卓には必ずピマン[piment(フランス語)]という辛うまい生唐辛子の油漬けが載っている*。日本に来たカメルーン人は、私の知る限り、みな口…
服部 志帆 2003年11月から2004年9月にかけて三度目になる調査をカメルーン東部州で行っていた時の話である。三度目の調査は、博士予備論文(大学院の修士論文に値する)なるものを書き上げたあと、初めての調査だった。初め…
大石高典 毎日夕方になると、てくてくと村の中をぬけて、バケツとセッケンをかたかた鳴らしながら水浴びに出かけるのは楽しい日課だ。調査基地から徒歩10分はかからないはずの村はずれにある、無料の銭湯ならぬ砂地の川への往復が、時…
林 耕次 調理方法として「燻す」,あるいは「スモークする」効果は,一般的にはその風味を楽しむための工程だと考えるのではないだろうか。私が長年通い続けているアフリカ熱帯の調査地では,もちろん食材に対しての燻された風味付けの…
服部 志帆 カメルーンの熱帯林に暮らす狩猟採集民バカ・ピグミーの草葺きの小さなドーム型住居では、鍋がぐつぐつと音を立てている。森に囲まれたバカ・ピグミーの村には夕闇が迫り、灰色の空には星がまたたき始めている。鍋から出た水…
大石 高典 さかなの炭火焼きとマニオクちまき(注)の組み合わせは、カメルーンの都市部で、もっとも安く、手っ取り早く、かつ美味しく食べられる外食の典型である。それぞれ、共通語であるフランス語で、”poisson brais…