ムスリム商人たちとの甘苦い茶の時間(カメルーン)
大石高典 毎日夕方になると、てくてくと村の中をぬけて、バケツとセッケンをかたかた鳴らしながら水浴びに出かけるのは楽しい日課だ。調査基地から徒歩10分はかからないはずの村はずれにある、無料の銭湯ならぬ砂地の川への往復が、時…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
大石高典 毎日夕方になると、てくてくと村の中をぬけて、バケツとセッケンをかたかた鳴らしながら水浴びに出かけるのは楽しい日課だ。調査基地から徒歩10分はかからないはずの村はずれにある、無料の銭湯ならぬ砂地の川への往復が、時…
林 耕次 調理方法として「燻す」,あるいは「スモークする」効果は,一般的にはその風味を楽しむための工程だと考えるのではないだろうか。私が長年通い続けているアフリカ熱帯の調査地では,もちろん食材に対しての燻された風味付けの…
服部 志帆 カメルーンの熱帯林に暮らす狩猟採集民バカ・ピグミーの草葺きの小さなドーム型住居では、鍋がぐつぐつと音を立てている。森に囲まれたバカ・ピグミーの村には夕闇が迫り、灰色の空には星がまたたき始めている。鍋から出た水…
大石 高典 さかなの炭火焼きとマニオクちまき(注)の組み合わせは、カメルーンの都市部で、もっとも安く、手っ取り早く、かつ美味しく食べられる外食の典型である。それぞれ、共通語であるフランス語で、”poisson brais…
大石高典 食べ物を煮るためには、土器や鉄器などの火に耐える器がなければならない。アフリカ熱帯林では、焼きもの、蒸しものをするには、クズウコン科植物の葉に肉や魚、昆虫などを入れて焚火に入れる包み焼きという便利な方法があるが…
林 耕次 みなさんは、「アフリカの料理・調理」ときいて、何を想像されるだろうか? 私はこれまで、「アフリカの食文化」というテーマの講義で何度か大学の教壇に立ったが、講義の冒頭、何の情報も出さずに「アフリカの食文化」につい…
林 耕次 カメルーンの熱帯地域において主食や地酒の原料に用いられるキャッサバは,おかずにもなる。 定住した狩猟採集民バカ・ピグミーのことばで,この料理は“sia boma”とよばれる。sia は「削ったもの」,bomaは…
戸田 美佳子 2006年10月,カメルーン東南部の熱帯林をはじめて訪れたとき,上腕の逞しい男性が見馴れないハンドルの付いた三輪車に乗り,子供たちと一緒に舗装されていない道路を一気に下っているところに出くわしました。あまり…
安田 章人 カメルーンで、市民の日常的な移動手段といえば、タクシーである。南部に位置する首都ヤウンデには急な坂道が多く、市民は皆、黄色い乗り合いタクシーを日々の足としている。(ただし、最近、中国からの援助で、路線バスの運…
林 耕次 文字どおり草木が生い茂るアフリカの熱帯雨林では、一見したところ森(あるいは二次林)と畑を見分けるのが難しいことがある。さらに、荒れ果てた畑ともなると、その「境界」を見極めるのには、それなりの経験が必要となるので…
大石 高典 トントントン…。乾期が近づくと、村のあちこちで丸木舟を作る斧の音がするようになる。乾期に出かける漁の準備である。熱帯雨林の雨期は、長くて寒くて憂鬱だ。雨に降りこめられると、倒木を恐れて森に行くことも少ない。雨…
坂梨 健太 カメルーン南部の森の中。日照りがきつい昼間を避けるべく、早朝、涼しい内に畑作業をおこなうことはよくある。ただし、Motivation(モチベーション、彼らはフランス語読みで「モチバッション」と言う)があるかど…
服部 志帆 犬と人間の関係は長い。人間が狩猟採集生活を送っていた紀元前一万五千年頃、犬は家畜化されたと言われる。野生の狼として暮らしていた彼らが、人間に飼われることを選んでからすでに一万七千年あまり。元来、犬は住居の見張…
安田 章人 もはや、日本人全員がもっていると言っていいほど普及しているもの。携帯電話、いわゆるケータイである。しかし、それは日本に限ったことではない。アフリカ各国においても、携帯電話の利用層は急速に拡大し、一般的になって…
戸田 美佳子 「ムサ〜!」 「アドゥライ〜!」 「シェフチェンコ〜!」 太陽が西に沈みはじめるころ、村のあちこちで子供を呼ぶ声が聞こえてくる。食事が集会所に運び込まれるのだ。空き地でサッカーボールを追いかけていた少年たち…
安田 章人 日本から直線距離でも1万2千キロ。長旅を終え、カメルーン北部の小さな村に到着する。これで、2回目の訪問だ。自分がお世話になる家の前には、たくさんの子供たちが集まっている。その笑顔には、「お土産は何かなぁ・・・…
安田 章人 早朝、遠くから銃声が響く。「ああ、また誰かが狩猟してるんだ…。」乾季の朝のひんやりした空気を感じつつも、まだ寝袋から出られないでいる筆者は、そう思った。 アフリカ中央部・カメルーン共和国の北部。ここには、壮大…
服部 志帆 カメルーンの森の民バカ・ピグミーの子どもたちの集まる場所がある。村で一番年をとっているおばあちゃん、アベニョンのところだ。子どもたちは、森の小鳥が大木の枝のうえでそっと羽を休めるように、アベニョンの小さな草ぶ…
服部 志帆 森の住居から顔を出す子供たち。 “ザァ、ザァーツ・・・・”。雨だろうか。しかし、雨独特の湿った匂いがしない。もしかしたら・・・・。私は飛び起きると、手元のヘッドライトを点け、土壁とラフィアヤシで出…
服部 志帆 「ウォー!」。 ビニール製の大きな荷物入れのなかからサッカーボールを取り出すと、村のあちこちで大きな歓声が上がる。少年たちは私のところへ駆け寄り、顔いっぱいに笑顔を広げてサッカーボールを受け取ると、その場でさ…