地域を知る(タンザニア)《zaka / 居住地以外・原野・外・トイレ / サンダウェ語》
八塚 春名 「どこへ行くの?」村の人たちがわたしに向けるこのセリフは、朝の挨拶の一部みたいなもので、「おはよう」のあとに必ずくっついてくる。それは、わたしが毎日、林のなかで植物をサンプリングしたり、誰かの畑に出かけたり、…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
八塚 春名 「どこへ行くの?」村の人たちがわたしに向けるこのセリフは、朝の挨拶の一部みたいなもので、「おはよう」のあとに必ずくっついてくる。それは、わたしが毎日、林のなかで植物をサンプリングしたり、誰かの畑に出かけたり、…
丸山 淳子 「!」この記号が、単語の後ろについていたら、何を意味するだろう?そう、通称「ビックリマーク」といわれるように、強調や感嘆だ。私たちはごく日常的に使っている。では、単語の先頭についていたら…? 「!koõ, !…
安田 章人 我々は、すぐに彼らの痕跡を見つけた。真新しい足跡と排泄物。どうやら、この小高い丘を登っているようだ。気づかれないように、そして臭いをかぎつけられないように、息を殺して風下から群れに近づく。丘を登り切ったとき、…
村尾 るみこ フィールドワークをはじめたばかりの当時、私は現地語であるンブンダ語の習得で本当に苦労した。南部アフリカにすむ、ごく少数の人びとが話すンブンダ語は、体系だった文法書や辞書のない言語であったため、言語学の初歩的…
池邉 智基 6月から農村で調査をはじめました。セネガルの雨季は7月から10月の3ヶ月。村でインタビューをしていると、「ちょうどもうすぐ雨季だし、お前も農業やってみたらどうだ」と言われ、トントン拍子に空き地を分けてもらうこ…
近藤 史 私の名前は、タンザニア人にとっても人名として馴染み深いものらしい。天然パーマの毛髪がもじゃもじゃ跳ねていることも加わってか、タンザニアに滞在しているあいだ、私はしばしばタンザニア人と日本人の混血だと勘違いされる…
藤本 麻里子 私たち日本人の食事の基本といえば、もちろん白いご飯。パンやパスタの普及で米の消費量が減少しているとはいえ、今でも多くの人が白米こそ日本人の主食と考えていることと思う。タンパク源はといえば、和食を代表する寿司…
岩井 雪乃 私がかよっている村には電気(umeme)がない。だから、生活は不便だ。 たとえば、村でミルクティーを飲もうとしたら、何をするか? まず水くみから始まる。水を供給するには電気ポンプが必要だ。日本でも停電になると…
河野 明佳 多くのアフリカ文化において、挨拶はとても大切なものと考えられています。「こんにちは、元気ですか」から始まって、「あなたのご両親は元気ですか」「おじいさん、おばあさんは元気ですか」と一通りの決まり文句を言うだけ…
中川 千草 わたしの名前「ちぐさ」は、日本以外の人に覚えてもらいにくいようだ。チギサ?ティディサン?と混乱しやすい。アメリカでホームステイをしたとき、滞在先の家のお母さんから、「マーガレットはマギー、アンジェリーナはアン…
池邉 智基 「Ana serica bi?(私に贈り物は?)」 「Indiuma dara.(何も持ってきてないよ)」 「Lu tax?(なんでだよ)」 セネガルの農村で調査を始めたとき、この無遠慮な物言いにムッとするこ…
塩谷 暁代 気候や生態の多様性から「アフリカの縮図」とよばれるカメルーン共和国は、言語環境も多様で、250以上の言語があるといわれている。そんな多言語国家カメルーンの公用語は、フランス語と英語。フランス領から独立したフラ…
大門 碧 少しややこしい話をする。ウガンダ共和国の首都カンパラで、日常的に話されているガンダ語の音について。ガンダ語の「わたしは」を表す音は「n」(=ン)というひとつの音である。同様に「わたしに」を表す音もまた「n」とい…
織田 雪世 「そんな言い方しないんだよ。明日死んじゃうかもしれないんだから」 サマタの口調に、わたしは驚いた。たいした話をしていたわけではない。明日は何時にご飯の支度をするのか、聞いただけなのだ。でも、ガーナ北部の村で生…
目黒 紀夫 わたしの調査地で開催されているマサイ・オリンピック。記念すべき第1回(2012年)は見逃してしまったけれど、2014年12月に開かれた第2回大会は一部始終を見ることができた! しかも、その裏側についての話を関…
庄司 航 西ケニア州の村にて—— 教会の中に置かれた長椅子に座って待っていると、やがて牧師が入って来た。談笑していた人びとも、それぞれ椅子に座った。私の隣には調査助手のジョンソンと、私が滞在している家の少年ビクターが座っ…
河野 明佳 存在からにじみ出る優雅さ。そんな言葉を圧倒的事実として体感したのは初めてだった。南アフリカ共和国フリーステイト州クワクワ地域で、バクウェナ部族の王族と出会ってのことだった。 ホームパーティーにお呼ばれした時。…
高村 伸吾 日本からコンゴへ アフリカはとても鮮烈だ。日本では経験できない出来事に日々直面させられる。世界で起こっている善いことと悪いことの最も際立った部分を同時に体験できる。興味があるなら飛びこんでみるのがいいと思う。…
藤本 麻里子 カラスといえば、日本ではゴミを荒らす害鳥として、特に都市部で大きな社会問題を引き起こしています。カラスにゴミを荒らされないために、ゴミ置き場に囲いやネットを設置したり、夜間や明け方などにゴミを出すことを禁じ…
目黒 紀夫 フィールドで一生懸命に家の仕事をしている子どもたちの姿を写真に撮ろうとカメラを向けると、たいてい子どもたちは作業を止めてしまう。そして、「さあ、いつでも撮っていいよ!」とばかりに何かポーズをとったり、「写真だ…