北ケニアのラクダ遊牧民(ケニア)

孫 暁剛

東アフリカの乾燥地域は、降水量が少なく、降雨の季節的・地域的な変動が大きく、そして旱魃が不規則的に発生するという厳しい自然環境をもっています。狩猟採集や農耕はできないため、人びとはおもにラクダやウシ、そしてヤギと羊を飼養し、水と牧草を求めて移動生活を送っています。レンディーレはこの遊牧民グループのひとつで、北ケニアの半砂漠地帯で、ラクダに強く依存した生活をおくっています。

遊牧民レンディーレの青年ダンス

 

レンディーレは半定住的な集落と高い移動性をもつ放牧キャンプをつくって暮らしています。集落には既婚者や年寄り、幼い子供が住み、畜産物とともに農産物にも依存します。一方、若者たちは放牧キャンプをつくり、畜産物だけを頼りにした移動生活を続けます。度々の旱魃に襲われるにもかかわらず、レンディーレは家畜と共に力強く生き続けています。何にもないように見える原野は、彼らにとって充分な生活空間です。放牧キャンプの青年たちは毎日、太陽が西の地平線に姿を消した夕方になると、歌ったり、踊ったりして、楽しく暮らしています。

レンディーレの生活についてもっと知りたい方:SUN’ African Photo Gallery へどうぞ

注)このエッセイは、「アフリカ便り」の前身である「アフリカ情報」のコーナーに、2003年〜2004年に掲載されたものを再録しました。