暮らしのなかの「屠る(ほふる)」行為—ケニア・ルオ社会の場合(ケニア)
椎野若菜 日本の日常生活では、「屠る」という言葉を使うことはめったにあるまい。「屠る」行為を実際に見たり、行なったりすることもそうそうないだろう。だが日本人も毎日、今日の夕飯は豚肉、いや鶏肉?牛にする?などとメニューのバ…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
椎野若菜 日本の日常生活では、「屠る」という言葉を使うことはめったにあるまい。「屠る」行為を実際に見たり、行なったりすることもそうそうないだろう。だが日本人も毎日、今日の夕飯は豚肉、いや鶏肉?牛にする?などとメニューのバ…
岩井雪乃 毎年、大学生を連れてタンザニアの村にボランティア活動に行くのが恒例になっている。その村は、アフリックの「セレンゲティ・人と動物プロジェクト」の活動地でもある。 事前準備の段階で「村で何をするか?」学生たちとあれ…
目黒 紀夫 アフリカにかぎらず、地元の人のお宅に泊めてもらいながらフィールド調査をしていたら、その家の家事・労働を手伝うのはおそらくとても普通のことだろう。私が調査をしているのはケニア南部、牧畜民マサイの土地で、舗装道路…
戸田 美佳子 2006年10月,カメルーン東南部の熱帯林をはじめて訪れたとき,上腕の逞しい男性が見馴れないハンドルの付いた三輪車に乗り,子供たちと一緒に舗装されていない道路を一気に下っているところに出くわしました。あまり…
安田 章人 カメルーンで、市民の日常的な移動手段といえば、タクシーである。南部に位置する首都ヤウンデには急な坂道が多く、市民は皆、黄色い乗り合いタクシーを日々の足としている。(ただし、最近、中国からの援助で、路線バスの運…
丸山 淳子 「明け方、亡くなったよ。」朝起きると、そう告げられた。昨日の昼、娘が痛がっているから鎮痛剤がほしいと、彼女の父親が私に頼みに来ていた。彼女の病気がずいぶん重いものだということも、病院からもらったたくさんの薬を…
溝内 克之 村住まいの調査。ただ決まった質問をするだけではなく、自らの体を使って村の人々の生活を学ぶ過程でもある。酒場で地酒を飲み、村の生活にとっての酒とはなにかを学ぶ。バケツで近隣の世帯に水をもらいに行き近所づきあいを…
西崎 伸子 自然保護や野生動物保護に関心のある人にとって、国立公園で勤務するレンジャーは憧れの職業だ。この職業の発祥地はアメリカで、国立公園などの自然保護区を守るための調査や企画、自然解説などをおこなう花形職業である。日…
坂梨 健太 カメルーン南部の森の中。日照りがきつい昼間を避けるべく、早朝、涼しい内に畑作業をおこなうことはよくある。ただし、Motivation(モチベーション、彼らはフランス語読みで「モチバッション」と言う)があるかど…
井上 真悠子 ファトゥマ姉は器用だ。ウクヮジュ(タマリンド)のジュースもつくれるし、ウキンドゥ(椰子の葉)でカゴも編める。ペンバ島の村落部出身の彼女は、私が居候していた家の子供たちにとって母方の従姉にあたる。ペンバの村を…
村尾 るみこ 日本でもコンビニやカフェ、ファーストフード店で売られている、甘い飲み物、甘いデザートとして有名な、タピオカ。タピオカは英語でキャッサバとよばれる熱帯作物で、私たちはいわゆるその根っこを食べている。 相対的に…
松浦 直毅 「腕時計ちょうだい。」「1000フラン(約200円)だな。」 アフリカ熱帯林の狩猟採集民として知られる「ピグミー」は、かつては森のなかを移動しながら暮らしてきたが、最近では道路ぞいの定住集落で畑仕事を中心とし…
服部 志帆 犬と人間の関係は長い。人間が狩猟採集生活を送っていた紀元前一万五千年頃、犬は家畜化されたと言われる。野生の狼として暮らしていた彼らが、人間に飼われることを選んでからすでに一万七千年あまり。元来、犬は住居の見張…
丸山 淳子 フィールドワーク中の私は、毎日が、なにかと忙しい。熱心なフィールドワーカーとでもいえば、聞こえはいいだろうが、正確には、貧乏性なのだろう。あれもこれも調べなくちゃと焦りばかりが募り、ちっとものんびりすることが…
庄司 航 ケニア北西部に広がる乾いたサバンナの午後1時過ぎ。川辺の木の陰で、私は横になっている。川といっても、水は流れていない。この地域の川はほとんどが雨が降ったときだけ水が流れるのだ。そんな水のない川でも土に水分がある…
安田 章人 もはや、日本人全員がもっていると言っていいほど普及しているもの。携帯電話、いわゆるケータイである。しかし、それは日本に限ったことではない。アフリカ各国においても、携帯電話の利用層は急速に拡大し、一般的になって…
織田 雪世 エフィアが帰ってきた。11時間もバスに揺られ、はるばる国境をこえて帰ってきた。「イェー!」バスから降りた道端で、出迎えたわたしと笑顔満面、がっちり抱きあった。 「エイ!ナイジャ。ナイジャってナイジェリアのこ…
大門 碧 レストランのステージ裏、夜中1時。 あ。 さっきまで、ステージで美しく舞っていた女性が座り込み、自分の「髪型」を崩しにかかっていた。前頭部は、ストレートパーマをあてた髪をワックスでびっちりかため、後頭部にはエク…
松浦 直毅 「病院の薬では子どもの病気が治らないんだ。君の村の医者を紹介してくれよ。」 私はアフリカ中部のガボン共和国で、熱帯林の狩猟採集民である「ピグミー」とよばれる人々の調査をしている。現在では定住化が進んでいるとは…
井上 真悠子 タンザニア全土を対象とした統計では、おおむね人口の約1/3がキリスト教徒、1/3がイスラム教徒、残りが伝統宗教信仰者だと言われている。しかし、東海岸部、特にザンジバルに限れば、9割がイスラム教徒である。もっ…