クリスチャンなマサイの人たち(ケニア)
目黒 紀夫 ケニア南部の、マサイの人たちのお宅にホームステイしながら調査をはじめた頃、日曜日は私にとって、ちょっと“めんどくさい”曜日だった。なぜなら、日曜礼拝のために教会に行かなければならないから。 教会に来るのは全員…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
目黒 紀夫 ケニア南部の、マサイの人たちのお宅にホームステイしながら調査をはじめた頃、日曜日は私にとって、ちょっと“めんどくさい”曜日だった。なぜなら、日曜礼拝のために教会に行かなければならないから。 教会に来るのは全員…
織田 雪世 アクラ(ガーナの首都)の人たちは嘘がうまい…などと言うと、誤解をまねくだろうか。「かならずしも本当ではないことを言う」のを嘘とするなら、の話なのだが。 たとえば朝、道で顔なじみと挨拶する。「おはよう、どこへ行…
藤本 麻里子 私が浜辺に向かって歩いていくと、波打ち際に居た人々が急に湖に潜ったり、走り去ったり、ちょっとしたパニックに陥った。一瞬何が起こっているのかわけがわからず、私は洗濯しようと持ってきた衣類の入った籠を手に、状況…
庄司 航 北ケニアの牧畜民トゥルカナは、アフリカの中でもよく歩く人たちだと言ってさしつかえないだろう。子供や若者は家畜の放牧のために、一日中歩いている。女性は水くみや家畜に水をやりに行ったり、植物の採集に出…
眞城 百華 電車や車に乗ることの多い日本の生活と比べて、アフリカでは自分でも驚くほど歩く。道行く人に場所を訪ねて目的地までどのくらいかかるか聞くと、誰もが「すぐそこだよ」という。それを信じてひたすら教えられ…
溝内 克之 タンザニアの中心都市ダルエスサラーム、蒸し暑いこの街では、夕方になってやっと体がまともに動かせるようになる。夕暮れ時、街のはずれにある大型バー「リバーサイド」には多くの人が集まってくる。仕事の疲れをいやすため…
目黒 紀夫 ケニア共和国の玄関口、ナイロビのジョモ・ケニャッタ国際空港(ジョモ・ケニャッタとは同国の初代大統領)で飛行機をおり、入国審査のゲートへと続く通路の両脇には、野生動物の写真のうえに“Karibu Kenya”(…
安田 章人 早朝、遠くから銃声が響く。「ああ、また誰かが狩猟してるんだ…。」乾季の朝のひんやりした空気を感じつつも、まだ寝袋から出られないでいる筆者は、そう思った。 アフリカ中央部・カメルーン共和国の北部。ここには、壮大…
織田 雪世 「あの果物売りのひと知ってるでしょ。亡くなったのよ。」その電話をもらったのは、わたしがアクラの職場で働きはじめて、しばらく経ってからのことだった。「あんた、仲良しだったでしょ。だから一応伝えておこうと思って。…
黒崎 龍悟 タンザニアでフィールドワークをしていた時の話。 タンザニアの季節というと日本のように四季があるわけではなく、だいたいの地域が雨季と乾季にわかれる。灌漑設備が発達しているわけではないので、農業は天水に依存し、雨…
村尾 るみこ 日本に難民として庇護を求める人びとは、船や飛行機でやってくる。 アフリカの国に難民として庇護を求める人びとは、大半が歩いてやってくる。 そうして陸続きのアフリカの国ぐにでは、国境はあってないよ…
八塚 春名 たぽん・・たぽん・・たぽん・・たぽん・・・とぽん・・バチャッ! とたんに私の肩は水びたし、こぼれた水が地面の土と一緒になって、私の足にはねあがる。「あーあ、これじゃ家に着いたときには、きっと水がなくなってるね…
服部 志帆 森の住居から顔を出す子供たち。 “ザァ、ザァーツ・・・・”。雨だろうか。しかし、雨独特の湿った匂いがしない。もしかしたら・・・・。私は飛び起きると、手元のヘッドライトを点け、土壁とラフィアヤシで出…
目黒 紀夫 ケニア南部、タンザニアとの国境近くに位置するアンボセリ国立公園は、ゾウをはじめとするさまざまな野生動物に加えて、アフリカ最高峰のキリマンジャロ山(タンザニア)が見られる観光地として有名だ。大手の観光会社のウェ…
中川宏治 先日、11月上旬のある日、ケニアを初めて訪問した母との旅行を終え、約2週間ぶりにメルー国立公園に戻ってきた。旅行は、飛行機と運転手付きレンタカーで効率的に移動し、順調に終えることができた。公園への…
山野香織 「目の前で友人が殺された。僕は必死で逃げたよ」。 エチオピアのオロモという民族である男性が、そんな言葉をふと口に出した。ここはエチオピアではない、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.である。その…
八塚 春名 「3年生のクラスはふたつあって、成績が良いとA、悪いとBなんだけど、シージアはAにいるんだ。」畑にくっついてきた私に、さっきからババジェリー(=「ジェリーのおじちゃん」)が次男のシージアを自慢している。そのシ…
丸山 淳子 小さな手がのびてきて、「わたしにも、ちょうだい」と声が聞こえた。4歳くらいの少女が、大きな目を見開いて、わたしを見上げている。とたんに、おばあちゃんたちが顔を見合わせ、そして、手をたたいて大喜びした。 わたし…
井上 真悠子 「学校に行くためにお金が要るんです・・・」「昨日から何も食べてないんです・・・」英語、時にはイタリア語で、悲しそうな顔をした少年たちが観光客相手にお小遣いをねだる。タンザニア随一のリゾート地であるザンジバル…
岡本 雅博 ザンビアのとある町でバイクに乗っていたときのこと。顔見知りの警察官から「お前が乗っているバイクを貸してくれ」と言われたことがある。「いいよ。そのかわりおれにも護身用にあなたがもっているピストル貸してくれ」と私…