故郷へとつながる旅路 (エチオピア)
山野香織 「目の前で友人が殺された。僕は必死で逃げたよ」。 エチオピアのオロモという民族である男性が、そんな言葉をふと口に出した。ここはエチオピアではない、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.である。その…
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山野香織 「目の前で友人が殺された。僕は必死で逃げたよ」。 エチオピアのオロモという民族である男性が、そんな言葉をふと口に出した。ここはエチオピアではない、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.である。その…
山野 香織 エチオピアは東アフリカに位置する陸に囲まれた国。魚が豊富な海に囲まれた日本とは違って、エチオピアでは湖の周辺を除いては魚を食べる地域はあまりない。その代わりに、肉類や豆類が多い。とくに代表的な料理には、それら…
山野 香織 関西では夏祭りの時期になると、だんじり(関東でいう山車)に乗せている太鼓の、タンタカ、タンタカ、タンタカ、タンタン、タンタカ、タンタカ、タンタカ、タンタン・・・・・・という音がどこからともなく聞こえてくる。幼…
西 真如 エチオピアの首都アジスアベバで暮らす友人のイブラヒムは、毎年11月が近づくと、長距離走のトレーニングを始める。2001年から毎年開催され、今やエチオピ アの人たちにとって国民的行事となった1万メートル走の大会&…
山野 香織 エチオピアに滞在していると、一人でいる時間が断然少ない。いつも誰かと話をしていて、いつも誰かが隣にいる。体調を崩して一人で静かに眠っていたいときも、誰かが心配して様子を見に来たり、「コーヒーができたから起きて…
森下 敬子 私は首都のアジスアベバで調査をしていたので、地方に出かける機会はほとんどなかったが、お世話になっている家のお母さんが巡礼に出かけるというので、連れて行ってもらったことがある。エチオピアには2万以上のエチオピア…
西崎 伸子 旅をしている者にとってその日の宿をどうするのかというのは大事な問題だ。バックパッカーをしていた二十代前半は「安ければ安いほどいい」と考えていた。予約はせずに,行きあたりばったりでとにかく安い宿を探した。そうす…
山野 香織 「こうやって飲むのは、親しいというしるしだよ」 一つの大きなプラスチックのコップにボルデをなみなみと注ぎ、二人の女性がそれを同時に飲む。口を極力近づけないと、その隙間からボルデがこぼれ落ちてしまいそうだ。しか…
森下 敬子 日本では、特段必要な物がなくてもぶらぶらとウィンドーショッピングに出かけるのが好きな私でも、エチオピアの市場に出かけるのはあまり好きではなかった。値札がついているわけではないので、まず値段交渉から始めなくては…
鈴木 郁乃 朝起きて外に出ると、お世話になっている家のお母さんが、土器の皿の上でケッツァ(トウモロコシ等の粉を水で溶いて作ったパンケーキ)を大量に焼いていた。家族が食べるにしては、どう見ても多すぎる量のケッツァをどうして…
西崎 伸子 「この茶色い水を私は飲んでいたのか」と溜池を前にしばし愕然とした。エチオピアに出かける前にさまざまな人から,蛇口をひねれば出てくる透明な水道水でさえも10分以上沸かして飲みなさいと教えられてきた私にとって,と…
西 真如 「じつはこの間、故郷にいる両親のために、家を建ててあげたんだ。」と、アジスアベバ(エチオピアの首都)で借りたレンタカーの運転手が、とても誇らしげな口調で言った。見たところ、二十歳になるかどうかの若者だ。それを聞…
西崎 伸子 エチオピアの夜は動物達が駆けずり回る恐ろしい暗闇が広がっている。わたしはそれらの動物との「戦い」に毎夜神経をすり減らしてきた。動物といってもライオンやヒョウといったアフリカを象徴する雄大な大型野生動物を想像し…
西 真如 エチオピア高原の長い雨期が明ける頃になると、首都アジスアベバで暮らす商人達が一斉に店を閉め、自家用車や貸切のバスを連ねて故郷の村へと出発する。 彼らが目指すのは、アジスアベバから150kmほど南西にある南部州グ…
西 真如 エチオピアのシダモ(シダマ)地方は、有名なコーヒー産地のひとつで、日本で売られている缶コーヒーの原産地表示にも「シダモ」と書かれているものがある。エチオピアの首都アジスアベバからシダモは、自動車で半日の行程だ。…
森下 敬子 エチオピアの首都アジスアベバで一度でもバスに乗ると、もう二度と御免だと思う。東京の最悪なラッシュ時の地下鉄みたいだ。いくら運賃が安くても(始点から終点まで乗っても10円以下)、酸欠になりそうなほど混雑していて…
西崎 伸子 「カラン カラン」と首から鈴を賭けた一頭の馬が、木製の力車に人を乗せ軽快に道路を走っていく。これは、わたしがエチオピアの町で2年間暮らしていたときに、よく利用していた馬車である。現地の言葉で”ガリ”と呼ばれて…
鈴木 郁乃 数年前のお正月をエチオピアの農村で迎えました。大晦日の夜にはラジオでは一年を振り返り、エチオピア正教の司祭の祈りが伝えられ、元旦には、滞在先の子供たちが、部屋の床に刈りたての青草を敷き詰め、装飾用に花を生けて…
鈴木郁乃 「かわいそうに、ガブジャなんて食べているのかい!?」ガブジャとはエチオピア南西部に暮らすアリ人の言葉でタロイモを表す。アリの村に赴任していた学校の先生たちと話をしていた時に、「アリ人の家に住んで、何を食べている…
鈴木 郁乃 私が半年ほど居候させてもらっていた村は、エチオピア西南部の標高2000メートルほどの場所に位置しています。村に暮らす殆どの人々が農業で生計を立てている、アリ人です。 母と子 私がお世話になってい…