息を合わせて育てる
関野 文子 村のたまり場のベンチに座って、男性たちがおしゃべりをしている。膝の上や足元には赤ちゃんがいて、思い思いに遊んでいる。カメルーン熱帯雨林地域の集落で狩猟採集民バカの調査をしていると、よくみる光景である。女性た…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
関野 文子 村のたまり場のベンチに座って、男性たちがおしゃべりをしている。膝の上や足元には赤ちゃんがいて、思い思いに遊んでいる。カメルーン熱帯雨林地域の集落で狩猟採集民バカの調査をしていると、よくみる光景である。女性た…
松浦 直毅 わたくしごとだが、この4月から女子大学に異動した。前職も女子の割合が比較的高い学部だったが、全員が女子という環境はやはりいろいろな点で大きくちがう。そうしたなかで私も、ジェンダーの問題や男女格差の問題にふれる…
溝内 克之 「舗装道路からクワ・マングールワ市場を抜け、山道を10分ほど下るとベアタさん(仮名、女性)が建てた新しい家があるので、その角を左に曲がる。そこからすぐ右手に見えてくる黒い鉄のゲートの家が私のホームステイ先だ。…
村尾るみこ 「家がないなら嫌、畑があっても」 そういったのは、ルーシー(仮名、女性)だ。ザンビア西部の農村地帯にある難民定住地で、アンゴラ難民の第二世代として生まれた。彼女が嫌がっているのは、難民定住地に隣接してつくられ…
八塚春名 月末に近づくと、女性たちが「クリニックの日」について話している。「何日に行こうか」、「一緒に行こうよ」と約束しあう女性たち。そして当日の朝になると、彼女たちはきれいなアフリカンプリントのドレスを着て、背中に子ど…
林 耕次 アフリカの熱帯地域で、定住した狩猟採集民バカ・ピグミーの調査をするようになって長く経つが、彼らと生活をするなかで、自分自身の習慣や常識を考えさせられることが幾度となくあった。 狩猟採集社会が「平等主義社会」であ…
池邉智基 去年の夏頃だろうか。ダカールの町中の壁や電柱などに、写真に示した張り紙がいたるところに貼られていることに気づいた。そこにフランス語で「同性愛に罪を」(Oui pour la criminalisation de…
丸山淳子 「おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に…」そんな昔話を聞いて育ったせいなのか、桃太郎の時代から、あるいは太古の昔から、男性と女性には、それぞれに役割が決まっていると、どこか思い込んでいた。男性は狩猟…
大門碧 最初の出産は、日本でだった。当時、ウガンダ人の夫は、彼の祖母の家に身を寄せていた。次第に激しくなってくる陣痛に耐えながら、子宮口が開くのを待っているとき、何度も夫から携帯電話に着信。何度目かのタイミングで、電話に…
井上真悠子 「女がおとなしくしてると、男は太鼓のように女を叩き続けるから」 「女は、黙って我慢してたらダメなんだよ」 これは10年以上前、私がタンザニアの島嶼部ザンジバルで調査をしていたときに、夫に殴られたと言って実家に…
眞城百華 “女たちもこの大変な状況をかえられるとわかったの” 私が調査をしているエチオピア最北部のティグライ州は、1975年~1991年まで内戦下にあった。1974年にエチオピア革命が起きて、その後成立した軍事政権に対抗…
山口亮太 僕の母親ほどの年齢の女性が、頭にかけた幅の広い紐だけを頼りに、いかにも重そうな背負いカゴを運んでいる。カゴの中身は、飲み水の入った黄色いポリタンクで、満タンにすれば25リットル程度にはなる。その重そうなポリタン…
大門 碧 同じアフリカならウガンダ出身の夫も過ごしやすいかもしれない。子どもを抱えての求職活動のなかで、南部アフリカのザンビアでの仕事を受けたのが5年前。ザンビアに夫を呼び寄せ子どもらと3年半暮らしたのち、夫の母国のお隣…