ミセケ村追い払い隊の大歓迎:ゾウプロ訪問記①

岩井雪乃

2023年8月、アフリック・アフリカ会員6名(松浦代表、八塚副代表、西﨑さん、眞城さん、丸山さん、宮内さん)が「アフリカゾウと生きるプロジェクト」(略称ゾウプロ)の活動地を訪問してくれました!今月から、連載で訪問記を掲載します。

アフリックの支援で建設したゾウ見張り小屋の看板の前で

訪問は、ミセケ村1日、ロバンダ村1日と駆け足の日程でしたが、私以外の会員が現場を見て人々と話す機会となり、私はとてもうれしかったです。今月は、私から、受け入れ側のミセケ村追い払い隊の準備の様子を紹介します。

2023年、私は、4-9月の半年間セレンゲティに滞在したので、一緒に受け入れ準備を進めました。ミセケ村追い払い隊のみんなが、初の準備ミーティングを開いたのは6月でした。2ヶ月も前からの準備に、私はびっくり仰天しました!村の人たちは、先が読めない自然を相手に生きています。そのため、日本人のように入念に準備するのではなく、その場の状況に臨機応変に対応して、瞬発力と土壇場力で結果を出す人たちです。なので、こんなに早く準備を始めるなんて、初めて見た光景でした。それもこれも、長年支援してくれたアフリック・アフリカへの感謝の気もちの現れだといえます。

ゾウ見張り小屋の前で準備ミーティング

準備の大きな課題は、道の整備でした。ミセケ村は、未舗装の幹線道路から、さらに奥に入った場所で普段は車が来ません。道は、バイクや自転車が通るだけなので、大きな岩がゴロゴロと突き出していて、車が通るには困難な場所が何ヵ所もあります。そこを、石や土で埋めたり、藪を切って迂回路を作ったりしなければなりません。かなりのドカタ作業です。そして他にも、日よけテント・食器・椅子などを借りてくる、150人の参加者で食べるための牛を買うなど、さまざまな準備がリストアップされました。

その後、準備は一時ストップしたものの、アフリック会員が到着する1週間前からは、毎日作業が行われ、道路整備や物品の調達が進んでいきました。タンザニアの農村のスピード感では、1週間前から動くのは、とても早くからの計画的な準備だったと思います

当日設営されたテントと参加者と岩井

そして、当日また驚いたのが、分刻みのタイムテーブルでした。追い払い隊メンバーは、日本ゲストのために盛りだくさんのプログラムを用意してくれていました。ゾウ追い払いデモンストレーション、アフリックからの懐中電灯の寄贈、伝統狩猟実演、伝統料理のランチなど。私は、最初から最後まで、追い払い隊のムシザキ長老に、「時間、時間、早く移動して!」と急かされていました。いつもは時間なんて気にしない生活をしている人たちなのに(笑)、たくさんのことをお客さんに見せたい伝えたい気もちだったのです!それなのに、私たちの車が故障したり、村役場から呼び出されたりのアクシデントがあって、スケジュールが押し押しになってしまい、実施できないプログラムがあったのは残念でした。

ゾウ追い払いデモンストレーションを見学するアフリック会員

最終的には、村の人たちは、みんなたっぷり食べて飲んで楽しく過ごして、大満足していました。私は、追い払い隊のみんなとこれまでにない協働活動をして絆が深まり、かれらの新しい側面を知って学びになりました。訪問してくれたアフリックのみんなは、何を感じたでしょうか?これからの連載で、訪問した側の感想を紹介していきますのでお楽しみに!