蜂を飼うのは大変だ・・・(2014年4月)

岩井雪乃

タンザニアは4月は大雨季ですが、今年は洪水や大雨があった地域もありました。活動地のセレンゲティでは、ちょうどいい降雨量だったそうです。2月に岩井が現地に行っていきましたので、その報告です。

ミセケ村には、昨年12月に養蜂箱200個(W-BRIDGE助成金)が設置されてました。蜂が入っているのは10個ていどにもかかわず、ゾウが養蜂箱の畑を避けていることが報告されています。とりあえずは、新しいものを警戒しているようです。何年かしたらゾウが養蜂箱に慣れてしまう可能性が高いですので、今後、より多くの蜂が営巣するようになる必要があります。

養蜂箱が設置されたケベベティさんの畑

ロムチャンガ村の養蜂箱100個(2012年9月アフリック・アフリカ寄付)は、残念ながらあまり管理されておらず、虫に食われている箱もありました。養蜂箱をどのように管理したらはちみつが収穫できるか、地元農民にほとんど知識がないのが原因でした。

そこで2月の渡航時に、隣村の養蜂家のところに、ハッピーハニー農民10名とともに研修に行ってきました。蜂がすみつきやすい環境づくりのコツ、養蜂箱を観察する時のポイント、防護服など機材の使い方、蜂蜜の収穫方法などを指導してもらいました。

養蜂家がハニーバッジャー(ミツアナグマ)がふたを壊してしまった養蜂箱を修理している

蜂に慣れていない農民にとって、蜂に刺されるのは、日本人同様に非常に恐怖です。しかし、必要に応じて養蜂箱に近づいて手入れをしなければ、蜂はいなくなってしまいます。今回は、安全に蜂の世話をする方法を学ぶことができて、ハッピーハニー参加農民たちは「自分にもできそうだ!」とやる気を高めていました!がんばってほしいです!

研修農民に養蜂家が器具の説明をしているところ

とはいいつつも、蜂を安定して営巣させるほど養蜂を習熟するにはまだ時間がかかりそうです。そこで、ゾウの追い払いに即効性のある重要装備「大型充電式懐中電灯」を寄贈してきました(現地購入、W-BRIDGE助成金)。

夜中にゾウがやってくると、農民たちはバケツや金属片など身近なものを使って音を出して追い払います。そして、その時に効果的なのが、強力な懐中電灯で照らす方法だと農民たちは言います。
「バケツの音では止まるだけのゾウが、懐中電灯では方向転換して逃げていくんだよ!」

毎日、巨大なゾウと対峙しなければならない農民が少しでも楽になるように、との思いでした。そして、ものすごく喜ばれ、さっそく活用されています!

セレモニーでの懐中電灯の贈呈

ハッピーハニーチャレンジ(養蜂箱によるゾウ追い払い)のオープニングセレモニーを開き、県の役人さんや村長さん、郡長さん、さらには村人100人を招いてランチを食べました(ヤギスープごはん)。その後、畑にみんなで行き、懐中電灯を贈呈しました。

テレビと新聞が取材するように手配して、広報も展開しました

蜂を飼う(巣箱にいてもらう)のがこんなに難しいとは、予想外でした。はちみつを収穫できるようになるのは、まだ時間がかかるかもしれませんが、徐々に技術が向上するよう、後押ししていきたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。