ゾウ追払いチームのユニフォームを6村に寄贈

岩井雪乃

追払いチームの活動の安定

ゾウ被害を減らす要となる追払いチームのメンバーは、ミセケ村では約60人になっています。2018年度に建設した3つの見張り小屋が今年は活用されて、メンバーの負担を軽減しています。2019年秋からタンザニアは大雨が続いているので、雨の日は見張り小屋で雨宿りをして、風邪をひかないようにできました。

また、追払いでは、毎回のように負傷者が出ますが、その手当てをするのにも見張り小屋が活用されています。追払いのためには、ゾウに近づかなくてはなりません。気性の荒いゾウだと襲いかかってくるので、そうなったら殺されないように、とにかくがむしゃらに藪の中を逃げます。暗い夜なので、木の根や石につまずいてねん挫、木の枝で切り傷、アカシアの鋭い棘が足に刺さるなど、いつも満身創痍です。見張り小屋で傷病者の手当てができて、メンバーから感謝されています。

追払いが成功してゾウが保護区に戻っていく

150着のユニフォームを6村に寄贈

ミセケ村で村びとたちと始めたバローティ(爆竹器)を使った追払い活動は、その成果を近隣の村にも伝える研修を開催し、多くの村で次々と追払いチームが編成されています。そこで2019年度は、ミセケ村を含めた8つの村に、合計150着のユニフォームを寄贈しました。(ミセケ村、ロムチャンガ村、グイコンゴ村、タムケリ村、ムビリキリ村、ビサララ村、イハララ村、シンギシ村)

ユニフォームにはセレンゲティ県のロゴが入っており、正規の追払いメンバーである身分証明の役割を果たします。メンバーは、ゾウ追払いの際に、保護区の中に入らざるを得ない場合があります。ゾウが村に戻ってこないように、確実に保護区の中に戻すためです。この時、保護区の密猟パトロール隊に出くわすと、密猟者とみなされて逮捕されてしまうのですが、そんな時にユニフォームを着ていれば安心です。追払い活動だと証明できるので、逮捕されることはありません。密猟パトロール隊は、追払いに協力するどころか、妨害し不当逮捕までしてくるので、まったく許せません!