第112回 アフリカ先生報告その2(愛知県日進市・2024年2月10日)

担当:井上真悠子

2024年2月10日、一般公開イベント「アフリカに出会おう!」の一環として、愛知県の日進市民会館においてタンザニアの絵画「ティンガティンガ」の体験型ワークショップをおこないました。大人8人と、3歳から小学6年生までの子ども6人の計14人にご参加いただき、時代ごとのティンガティンガの変化や、2005年の愛・地球博で愛知県に来ていたティンガティンガ画家、これまでに日本で紹介されたことがあるティンガティンガなど、この半世紀ほどのティンガティンガの歴史・変遷について解説をおこなった上で、参加者自身にもティンガティンガの特徴的な手順に沿って絵を描く体験をしていただきました。

描画体験では、現地の昔ながらのティンガティンガ画家さんたちがやっているように、赤・青・黄・白・黒の5色のペンキを混ぜて自分で色々な色をつくり出し、それぞれの色彩が引き立つような配色を考えるなど、各自の作品づくりを楽しんでいただきました。今回はお子さんの参加も多かったので、画材には水性ペンキを使用しました。未就学児の小さなお子さん方は、「色を混ぜて色をつくる」という工程が楽しかったようで、青色と黄色のペンキを混ぜて緑色をつくったり、さまざまな色を重ねて新たな色を生み出すことに熱中していた子どもたちもいました。

大人の参加者の中には、以前からティンガティンガに興味を持っていた、という方も複数おられ、「自分で作るのはとても難しかった。(今後は)プロの方が作ったのを見る際、感心する度合いがUPします」というご感想もいただきました。線の描き方、点の打ち方、色のぼかし方、そして色の生み出し方やその色の引き立たせ方など、実際に自分の手と目を使って体験することを通して、また新たな目線からティンガティンガを楽しむ機会になったのではないかと思います。ものづくりを通して、その絵を描いている人たちの「手」に目を向け、歴史と変遷を知ることを通して、彼らが今現在暮らしているタンザニアの現代社会にも興味をもっていただけたら嬉しいです。