アフリカの文化や社会を学ぶ本

アフリカの文化や社会を学ぶ本

『アフリカ湿原漁業の問題と展望:その在来知を探る』 今井一郎=著、関西学院大学総合政策学部研究会=編

紹介: 藤本 麻里子 本書は、1983年から2023年まで、40年間の長きにわたり、アフリカの内水面および湿原域において漁業・漁撈の調査を続けた著者の遺作である。著者の故今井一郎氏(元関西学院大学総合政策学部教授)は、2…

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『カーイ・フェチ/来て踊ろう―日本におけるセネガルのサバールダンス実践―』菅野淑=著

紹介者:池邉智基 アフリカの音楽といえば、太鼓がすぐに連想されるだろう。西アフリカ・セネガルでも同様に、住宅地から鳴り響く太鼓のリズムを聞かないことはない。太鼓を叩くのは、宗教儀礼や結婚式など、さまざまな機会があるが、サ…

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Gaurav Desai, Adeline Masquelier (eds.)『Critical terms for the Study of Africa』、University of Chicago Press、2018年12月刊行

紹介者: 大石高典 本書には、題名通りアフリカについて学ぶ上で鍵になるとされる25個の概念の解説・論考が集められている。邦訳はまだなく、当分出ることはないと思われるので、英語の原版を紹介しようと思う。編者はアメリカの大学…

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『不揃いな身体でアフリカを生きる―障害と物乞いの都市エスノグラフィ』 仲尾 友貴恵 著

紹介:松浦 直毅 アフリカの都市のなかを行き来していると、さまざまな場所に「物乞い」の人たちがいるのが目にとまる。ショッピングセンターの入り口あたりで、歩いて通りかかるこちらをじっとみつめて何かを訴えてくるゴザに座った老…

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『人を知る法、待つことを知る正義――東アフリカ農村からの法人類学』石田慎一郎=著

紹介:大石 高典 本書の著者は、ケニア中央高地のイゲンベとケニア西部のグシイの社会に、2001年から19年間(本書刊行時点)通い続けながら、法人類学的な研究を行ってきた。 どんな社会でも、借金、土地、婚姻、男女関係などを…

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『グッド・モーニング・トゥ・ユー!―ケニアで障がいのある子どもたちと生きる』(Forest Books) 公文和子=著

紹介:大門 碧 本書は,医者である著者が2015年にケニアで『シロアムの園』という知的・身体的障がいを併せ持つ子どもたちの療育施設を立ち上げるまでの個人史を含めた経緯,そしてその『シロアムの園』の2020年までの活動内容…

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“Ghana on the Go: African Mobility in the Age of Motor Transportation” ジェニファー・ハート=著

紹介:牛久 晴香 『動きつづけるガーナ』、とでも訳そうか。邦訳が出ていない英語の学術書を「おすすめアフリカ本」で紹介するのは、少し気が引けた。しかし、平易な文体のため、基礎的な英語力があれば苦労なく読み進められるだろうと…

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『親指ピアノ道場!~アフリカの小さな楽器でひまつぶし~』サカキマンゴー=著

紹介:大石 高典   親指ピアノは、木などでできた共鳴箱に並べられた金属製の棒を指で弾いて演奏する楽器である。アフリカを旅していると、時々木の板や自転車のスポークなど身近な材料で作られた親指ピアノを目にすることができる。…

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『海をわたるアラブ -東アフリカ・ザンジバルを目指したハドラミー移民の旅-』 朝田郁=著

紹介:井上 真悠子 本書を紹介する前に、まず、前置きとして書いておきたい。 2021年10月7日の夜、まさか日本の全国ニュースで「タンザニア」「ザンジバル」という言葉が聞こえる日が来るなどと思っていなかったので、とても驚…

アフリカの文化や社会を学ぶ本

『難民・強制移動研究のフロンティア』墓田桂・ 杉木明子・ 池田丈佑・小澤藍=編

紹介:村尾 るみこ 新型コロナウィルス感染拡大により、現地調査へ行けなくなって、2回目の世界難民の日を迎えた。日本はもちろんだが、私が調査するザンビアでも、難民定住地をはじめいくつかのイベントがあるようだ。感染予防の医療…

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『幻のアフリカ納豆を追え!ーーそして現れた〈サピエンス納豆〉』高野秀行=著

紹介者 池邉智基 本書は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」ことをモットーに、いくつものエッセイや紀行文を書いてきたノンフィクションライター高野秀行が、世界の納豆を求めて探し回り…