『夜、すべての血は黒い』(Frère d’âme)ダヴィド・ディオップ=著、加藤かおり=訳
紹介者:池邉智基 第一次世界大戦では「セネガル歩兵」という名で西アフリカの各地から集められた黒人兵士たちが第一線で戦わされていた。戦地にて友マデンバ・ジョップ(※1)がはらわたをさらすほどの傷を負い、主人公アルファ・ンジ…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
紹介者:池邉智基 第一次世界大戦では「セネガル歩兵」という名で西アフリカの各地から集められた黒人兵士たちが第一線で戦わされていた。戦地にて友マデンバ・ジョップ(※1)がはらわたをさらすほどの傷を負い、主人公アルファ・ンジ…
池邉智基 1938年、セネガル出身の作家T・C・エリマンによって書かれたデビュー作『人でなしの迷宮』は、フランスで出版されるやいなや、文学界に大きな衝撃を与えた。無名の作家ながら「黒いランボーの誕生か」と言わしめるほどの…
紹介者:桐越仁美 本書の著者である小佐野さんは、私が東京外国語大学で研究員をしていた当時、同大学のアフリカ専攻に在籍していた学生だった。彼女のガーナ滞在中にクマシという都市を案内したこともある。その時の小佐野さんは、ガー…
紹介者:池邉智基 同性愛者であるという疑惑からセネガル人男性の墓が暴徒によって掘り起こされるという事件が起き、その様子を映した動画がSNSで拡散されていた。たまたま動画を目にした主人公ンデネは、困惑しながらもどこか自分と…
紹介者: 桐越仁美 「砂漠のなかで一人、病院を営んでいる偉大な日本人がいるんですよ。その人は30年余りニジェールの現地の人びとに医療サービスを提供し続けています」。2010年に私が初めてニジェールに調査に行った際に、JI…
紹介:大石 高典 本書は、1990年からナイロビで暮らしている著者が、その10年目となる2000年に出版した一般向けの著作である。旅行者として、生活者として、現地企業のOL、そして事業者として出会ったアフリカでの日常が、…
紹介:佐藤 秀 「世界最悪の紛争地」と呼ばれるソマリアで、テロや紛争問題の解決に向けて取り組むアクセプト・インターナショナルというNPO法人がある。 テロリストの脱過激化や社会復帰を支援するその独自のアプローチと、同団体…
紹介:大門 碧 本書の舞台はブルンジ。アフリカの内陸のルワンダの南隣に並ぶようにある小さな国。恥ずかしながら、この小説を読むまで、ブルンジが、ルワンダと同様の少数派のツチ人と多数派のフツ人という民族構成をもち、1962年…
紹介:庄司 航 本書は19世紀フランスの詩人、アルチュール・ランボーの全集である。なぜ本書を「おすすめアフリカ本」として紹介するのかというと、ランボーがやりとりした手紙が収められているからだ。私は以前この「アフリカおすす…
紹介:丸山 淳子 2006年の暮れ、南部アフリカのボツワナの高等裁判所が出したひとつの判決が、世界の注目をあびた。それは、カラハリ砂漠に暮らすブッシュマンに対して開発政策の一環として実施された住民移転を、違法とするもので…
紹介:八塚 春名 今月のおすすめ本もまた、アディーチェにしよう。アディーチェが2012年にTED×Eustonでおこなったスピーチ”We should all be feminists”を、アディーチェ作品…
紹介:池邉 智基 主人公のナイジェリア人女性はアメリカに移住し、レストランで働きながらコミュニティ・カレッジに通おうと試みるも、親類の不義で頼れる場所を失い、さらに度重なる生活費の支払いに追われ、ナイジェリアの家族から…
紹介:庄司 航 本作は作家の中島らも氏による、アフリカの「呪い」を題材とした小説作品である。文庫版では全3巻とかなりの大作になっている。 ケニアの呪術を研究している人類学者が主人公で、死んだと思われていた娘をめぐって、ク…
紹介:庄司 航 『少年ケニヤ』は1951年から現在の産経新聞に連載され、読者に大変な人気を博し、テレビドラマや映画にもなった。 舞台は1941年のケニアで、沿岸都市モンバサで商社を経営する日本人の村上とその息子10歳の少…
紹介:黒崎 龍悟 椎名誠氏による「あやしい探検隊」シリーズはこれまでにいくつも出版されている。その内容は、かいつまんでいうと、著者が仲のいいおじさんたちといろいろなところに冒険的に出かけて酒をたらふく飲みながら焚火をして…
紹介:近藤 史 トウガラシは、アフリカでとても身近な香辛料だ。例えばエチオピア料理に多用される真っ赤な総合調味料「バルバレ」は、その鮮やかな色彩から想像されるとおり、トウガラシ粉の割合が50パーセント以上を占めるという。…
紹介:目黒 紀夫 舞台はジンバブエの「パラダイス」。主人公はそこに暮らす少女ダーリン。彼女はやがて故郷であるジンバブエを離れ、アメリカへと移住する。 このように書くと、たとえばチママンダ・ウゴズィ・アディーチェの『アメリ…
紹介:庄司 航 漫画家の諸星大二郎による、カラハリ砂漠に住むブッシュマンを題材とした「ダオナン」という短編作品を紹介しようと思う。本作は『諸星大二郎特選集第3集 遠い世界』という短編集の中におさめられている。 ブッシュマ…
紹介:安田 章人 いま、大きな話題となっている本であるため、すでに読んだ人も多く、もはやオススメ本として紹介する必要がないかもしれない。しかし、これだけ注目されているアフリカに関係した本を、アフリック・アフリカが紹介しな…
紹介:池邉 智基 本書は、フランス海軍士官であったピエール・ロティが残した多くの小説の中でも初期の作品である。フランスによる植民地統治が進められた時代のセネガルを舞台に、フランス人のアフリカ騎兵のジャンと、セネガル人女性…