『レジリエンスは動詞である―アフリカ遊牧社会からの関係/脈絡論アプローチ』湖中 真哉、グレタ・センプリチェ、ピーター・D・リトル=編著
紹介者 村尾るみこ レジリエンスという用語は、困難と希望を私たちに想起させる。気候変動、自然災害、物価高騰、感染症と絶望的なニュースが響くなかで、容易には打ち負かされない人間社会の力や躍動を表すかのようである。本書の序章…
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紹介者 村尾るみこ レジリエンスという用語は、困難と希望を私たちに想起させる。気候変動、自然災害、物価高騰、感染症と絶望的なニュースが響くなかで、容易には打ち負かされない人間社会の力や躍動を表すかのようである。本書の序章…
紹介: 藤本 麻里子 明石書店が出版している「エリア・スタディーズ」シリーズは、2023年11月に200巻を達成し、本書は第208巻にあたる。アフリカ大陸のほぼ中央に位置し、アルジェリアに次いでアフリカで第二の面積を有す…
八塚春名 本書は16冊のシリーズ本である『生態人類学は挑む』のうちの1冊で,生物資源の活用に着目した9編の論考からなる.アフリカ以外の事例を扱う章もあるが、9つのうちの7つの章はアフリカ(タンザニア、マダガスカル、ガー…
紹介:池邉 智基 本書は、西アフリカ・セネガル共和国のイスラーム神秘主義教団「ムリッド教団」の、内部に構成された集団「バイファル」を対象に、その組織構造と宗教実践、そして教義について明らかにした民族誌である。 バイファル…
紹介:村津 蘭 「十六歳の少女が神を名乗っている。彼女に挑戦した偉大な呪術師たちは次々と死んでいる」。その話を聞いたのは、私がベナン南部の町の福祉センターで、ボランティアとして働きながら暮らしている時だった。私のフォン語…
紹介:丸山 淳子 「楽しんでいるうちに、美しい本ができた!」という幸せな経験をした。最初は、ポッドキャストだった。人類学者の松村圭一郎さん、黒鳥社の若林恵さん、コクヨ野外学習センターの山下正太郎さんにお相手していただき、…
紹介:林 耕次 紹介する講座本は、総合地球環境学研究所で2016年から2022年まで実施されたプロジェクト「サニテーション価値連鎖の提案 ヒトに寄りそうサニテーションのデザイン」の成果に基づく全5巻のシリーズである。「講…
紹介者:山口 亮太 カメルーンの東南部の国境地域には、バクウェレという人びとが住んでいる。本書は、カメルーンの人びとの一風変わった妖術である「エリエーブ」を焦点として、彼らが思い描く人間とはどのようなものであるかを描き出…
紹介:関野文子 本書は『生態人類学は挑む』シリーズの16巻のうちのひとつである。本シリーズは、一人の著者が長期調査に基づいて描いたモノグラフシリーズと複数の著者が領域横断的にあるテーマに則して論じる6巻からなる。生態人類…
紹介:眞城百華 なぜ、この地域では紛争が起きたのだろう。そんな素朴な疑問からエチオピア最北部に住むティグライ民族の歴史に興味を持ち、研究を始めてもう20年以上がたってしまった。私が最初に関心を持ったのは1975-1991…
紹介 黒崎龍悟 「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず」という一文は、鎌倉時代の随筆『方丈記』の書き出しとしてよく知られている。作者の鴨長明は、流れゆく川の水に世の無常を重ねたが、この本は、むしろそのような絶…
紹介者:大石高典 この本は、生き物文化誌学会で2018年に開催された絶滅危惧種の利用と保全についての同名のシンポジウムをもとに編まれた。「絶滅危惧種」として国際自然保護連合(IUCN)のリストに記載される動植物の種類は…
紹介:村尾 るみこ 社会福祉という言葉は、日本では公的扶助や公助の領域をイメージすることが多いかもしれない。アフリカではどうであろう。アフリカで公的扶助や公助と呼ばれる領域は、近年整備が進んでおり、前世紀に比べますます看…
紹介:大石 高典 この翻訳本の英語の原題は『Listen, Here Is a Story』、つまり「さあ、お話が始まるよ!」といったノリのいいものである。その題名の通り、本書のメイン・ディッシュは、中央アフリカ共和国南…
紹介:牛久 晴香 春の花々が街を彩りはじめるこの季節、百貨店やセレクトショップには多種多様な「かごバッグ」が並びだす。軽やかで涼しげな印象を与えるかごバッグは、日本女性の春夏ファッションに欠かせないアイテムである。実は…
紹介:松浦直毅 アフリックの事業の一環としておこなわれたコンゴ民主共和国(DRC)における水上輸送プロジェクトについて、2018年~2019年に約1年にわたってウェブ上で連載したエッセイで紹介してきたが、この連載をもと…
紹介:池邉 智基 フィールドワークをする研究者は、調査地に赴いて、見たり聞いたりしたことを文章にして発表する。基本的に、研究者が調査地のことを文章にするとき、フィクションを書こうとすることはないだろう。本ホームページに…
紹介:大石 高典 本書は、横浜と東京にある大学に在籍し、アフリカ地域でのフィールドワーク経験をベースに文化人類学を教えている編者5名が、2年半近くにわたってほぼ毎月のように(飲み会を兼ねた)寄り合いを重ねながら企画と編…
紹介:大石 高典 犬と人類が共に暮らすようになった歴史はおおよそ2~5万年程度と、人類進化の歴史全体の中では比較的最近のことである。しかしその数万年の間に両者は最も身近なパートナーとして関係を築いてきた。犬は、人の社会の…
紹介:大石 高典 アフリカに生きる農耕民、狩猟民、牧畜民、都市民、商業民についての研究については、それぞれ多くの本が出ておりジャンルとして確立している。しかし、アフリカ大陸でみられる多様な生業のなかで漁撈・漁業はユニーク…