「動詞」シリーズ
今回のアフリック・エッセイのテーマは、さまざまな「動詞」です。じつはこの動詞シリーズは、過去にも実施したもので、そのリバイバル企画となります。2024年にアフリック20周年を迎えるにあたって、20年におよぶこれまでの蓄積…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
今回のアフリック・エッセイのテーマは、さまざまな「動詞」です。じつはこの動詞シリーズは、過去にも実施したもので、そのリバイバル企画となります。2024年にアフリック20周年を迎えるにあたって、20年におよぶこれまでの蓄積…
近藤 史 焼畑のなごりの切り株にひょいっと置かれたプラスチック製のボトル。ときおり畝たての手をとめた人が近づき、ひとくち、ふたくち中身を飲んではまた農作業にもどっていく。畑をみまわすと、あちらの畝の傍らにも、こちらの草…
関野 文子 村のたまり場のベンチに座って、男性たちがおしゃべりをしている。膝の上や足元には赤ちゃんがいて、思い思いに遊んでいる。カメルーン熱帯雨林地域の集落で狩猟採集民バカの調査をしていると、よくみる光景である。女性た…
松隈俊佑 東アフリカの開発実践の現場に携わるようになって数年が経った。ケニアのマサイの村で修士論文執筆のための調査をしていたときには、まさか私自身が開発現場で仕事をすることになるとは想像していなかった。正直に言うと、想…
八塚 春名 つい先日、「きのうビビ・アガタの埋葬だったよ」というメッセージがタンザニアから届いた。その2 週間前には「ムゼー・マーヌが亡くなった」と電話で聞いたばかりだった。ムゼー・マーヌ(マーヌじいさんの意味)は村一番…
佐藤 秀 2022 年3 月12 日、4年ぶりに搭乗した国際便の機内はこれまでと全く様相を異にしていた。新型コロナ感染症の拡大によって乗客は激減し、ガラガラの機内で横3つのシートを使って贅沢に-エコノミークラスではあるが…
松浦 直毅 わたくしごとだが、この4月から女子大学に異動した。前職も女子の割合が比較的高い学部だったが、全員が女子という環境はやはりいろいろな点で大きくちがう。そうしたなかで私も、ジェンダーの問題や男女格差の問題にふれる…
溝内 克之 「舗装道路からクワ・マングールワ市場を抜け、山道を10分ほど下るとベアタさん(仮名、女性)が建てた新しい家があるので、その角を左に曲がる。そこからすぐ右手に見えてくる黒い鉄のゲートの家が私のホームステイ先だ。…
村尾るみこ 「家がないなら嫌、畑があっても」 そういったのは、ルーシー(仮名、女性)だ。ザンビア西部の農村地帯にある難民定住地で、アンゴラ難民の第二世代として生まれた。彼女が嫌がっているのは、難民定住地に隣接してつくられ…
八塚春名 月末に近づくと、女性たちが「クリニックの日」について話している。「何日に行こうか」、「一緒に行こうよ」と約束しあう女性たち。そして当日の朝になると、彼女たちはきれいなアフリカンプリントのドレスを着て、背中に子ど…
林 耕次 アフリカの熱帯地域で、定住した狩猟採集民バカ・ピグミーの調査をするようになって長く経つが、彼らと生活をするなかで、自分自身の習慣や常識を考えさせられることが幾度となくあった。 狩猟採集社会が「平等主義社会」であ…
池邉智基 去年の夏頃だろうか。ダカールの町中の壁や電柱などに、写真に示した張り紙がいたるところに貼られていることに気づいた。そこにフランス語で「同性愛に罪を」(Oui pour la criminalisation de…
丸山淳子 「おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に…」そんな昔話を聞いて育ったせいなのか、桃太郎の時代から、あるいは太古の昔から、男性と女性には、それぞれに役割が決まっていると、どこか思い込んでいた。男性は狩猟…
岩井雪乃 2020年度は、コロナ禍の影響で、プロジェクト担当の岩井は現地に行くことができませんでしたが、パートナーNGO・SEDERECのダミアンが、村の人たちと協力して活動を進めてくれました。メッセージや電話で連絡を取…
大門碧 最初の出産は、日本でだった。当時、ウガンダ人の夫は、彼の祖母の家に身を寄せていた。次第に激しくなってくる陣痛に耐えながら、子宮口が開くのを待っているとき、何度も夫から携帯電話に着信。何度目かのタイミングで、電話に…
井上真悠子 「女がおとなしくしてると、男は太鼓のように女を叩き続けるから」 「女は、黙って我慢してたらダメなんだよ」 これは10年以上前、私がタンザニアの島嶼部ザンジバルで調査をしていたときに、夫に殴られたと言って実家に…
眞城百華 “女たちもこの大変な状況をかえられるとわかったの” 私が調査をしているエチオピア最北部のティグライ州は、1975年~1991年まで内戦下にあった。1974年にエチオピア革命が起きて、その後成立した軍事政権に対抗…
仕事中、身なしだみにより気を付けなければならないのは誰だろうか。買い出しに走るのは誰だろうか。荷物を運ぶのは誰だろうか。急な転勤の辞令、受けるのは誰だろうか。出張ばかりの仕事、続けるのは誰だろうか。 家のなか、子どもが泣…
山口亮太 僕の母親ほどの年齢の女性が、頭にかけた幅の広い紐だけを頼りに、いかにも重そうな背負いカゴを運んでいる。カゴの中身は、飲み水の入った黄色いポリタンクで、満タンにすれば25リットル程度にはなる。その重そうなポリタン…
大門 碧 同じアフリカならウガンダ出身の夫も過ごしやすいかもしれない。子どもを抱えての求職活動のなかで、南部アフリカのザンビアでの仕事を受けたのが5年前。ザンビアに夫を呼び寄せ子どもらと3年半暮らしたのち、夫の母国のお隣…