研究とアフリックと私(会報第21号[2024年度]巻頭言②)
松浦直毅 2024年 5月、大阪大学で開催されたアフリカ学会で「研究と実践の融合」をテーマにしたフォーラムを開催した。アフリック 20 周年という節目に企画したものであり、登壇者はすべてアフリックのメンバーで、それぞれが…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
松浦直毅 2024年 5月、大阪大学で開催されたアフリカ学会で「研究と実践の融合」をテーマにしたフォーラムを開催した。アフリック 20 周年という節目に企画したものであり、登壇者はすべてアフリックのメンバーで、それぞれが…
岩井雪乃 「ゾウだー! ゾウだー!」 6 月はトウモロコシの収穫期。つまり、ゾウがもっとも村にやってくる時期だ。毎晩のようにゾウが畑を襲ってくる。今、トウモロコシが一番おいしくなっていることを、ゾウもよくわかっている。ゾ…
高橋 明穂 私のステイ先の女性はみんな商売をしていた。一番上のお母さん(第一夫人)は、毎日のように近くの市場で野菜や魚を仕入れに行き、村の小売店で販売していた。二番目のお母さん(第二夫人)は朝と夜にサンドイッチ屋をしてい…
山崎暢子 2014年にわたしは南スーダン難民が多く暮らすウガンダ北部のキャンプで、洗って再利用できる布ナプキンとその取扱説明書、肌着と石鹸を国際NGOが支給する場面に居合わせました(写真1、2、3)。多くの女性が明度の低…
紹介: 藤本 麻里子 明石書店が出版している「エリア・スタディーズ」シリーズは、2023年11月に200巻を達成し、本書は第208巻にあたる。アフリカ大陸のほぼ中央に位置し、アルジェリアに次いでアフリカで第二の面積を有す…
桐越 仁美 11月8日(水)~11月17日(金)に国士舘大学中央図書館1階のエントランスホールにて写真展「アフリカの未来世代」を開催しました。開催期間中には図書館を利用する学生や教職員、近隣にお住いの一般の方が足を止めて…
藤本 麻里子 今日一日、誰とも一言も話さなかった。 現代日本社会で一人暮らしをしている若者にとっては、あるいは中高年層の人々の中にも、こういう一日を経験している人は珍しくないかもしれない。私が独身で一人暮らしをしていた3…
ティンガティンガ体験教室 井上真悠子 2023年8月、東京都の連雀学園三鷹市立第四小学校にて、「きらめき夏休みスペシャル」と題したティンガティンガ体験教室を開催しました。当日は17名の1~6年生と保護者2名の計19名が参…
松原 加奈 現在、日本ではすべてのものの価格が高くなっている。2022年4月ごろから、日本では体感できるほど、物価高騰が進んでいる。20年程、消費者物価上昇率がそんなに高くなかった日本ではめずらしいことだ。 私たちの生活…
紹介:池邉 智基 本書は、ブルキナファソ、ガーナ、ウガンダ、コンゴ共和国などで信仰されている日本の新宗教について記したルポルタージュである。アフリカには各地の伝統宗教に加え、キリスト教やイスラームが広く信仰されている。そ…
紹介:黒崎 龍悟 2012年に山梨県のトンネル内で天井板が崩落し、通行中の車が巻き込まれるという痛ましい事故があった。すでに10年たったが、車や電車で出かけてどこかのトンネルを通るときにその事故の話が頭をよぎることがある…
大門 碧 新時代だ。 そう思った。ウガンダの首都カンパラに立地するマケレレ大学の一室で、エクステンションが編み込まれた髪の毛を振りながら、くるくると瞳をめぐらして、悩ましそうに、でも楽しそうに話し続ける彼女を見ているとき…
牛久 晴香 笑いにノレない時がある。とくに「イジり」と「ブラックジョーク」が苦手だ。関係性によっては許されるのだろうが、自分には笑う資格があるのだろうか、とか、どこが面白ポイントなんだろう、などと考えてしまう。「自虐ネタ…
山口亮太 「もう、俺は知らん!入ってこんといて!」 そう叫んで、僕は戸口に立っていたおじさんを家から追い出し、扉を閉じた。怒り慣れていないので、手が震えてうまく鍵をかけることが出来なかった。そばにいた若者に手伝ってもらっ…
紹介:村津 蘭 「十六歳の少女が神を名乗っている。彼女に挑戦した偉大な呪術師たちは次々と死んでいる」。その話を聞いたのは、私がベナン南部の町の福祉センターで、ボランティアとして働きながら暮らしている時だった。私のフォン語…
松浦 直毅・大石 高典 音楽をはじめとするアートを通じた国際交流やアフリカ支援に取り組んでいるNPO法人「しまなみアートファーム 」が主催するアフリカを題材にしたイベントが、2022年10月22日(土)に瀬戸内海の島・大…
紹介:大石 高典 本書の著者は、ケニア中央高地のイゲンベとケニア西部のグシイの社会に、2001年から19年間(本書刊行時点)通い続けながら、法人類学的な研究を行ってきた。 どんな社会でも、借金、土地、婚姻、男女関係などを…
松浦 直毅 わたくしごとだが、この4月から女子大学に異動した。前職も女子の割合が比較的高い学部だったが、全員が女子という環境はやはりいろいろな点で大きくちがう。そうしたなかで私も、ジェンダーの問題や男女格差の問題にふれる…
紹介:牛久 晴香 『動きつづけるガーナ』、とでも訳そうか。邦訳が出ていない英語の学術書を「おすすめアフリカ本」で紹介するのは、少し気が引けた。しかし、平易な文体のため、基礎的な英語力があれば苦労なく読み進められるだろうと…
八塚春名 月末に近づくと、女性たちが「クリニックの日」について話している。「何日に行こうか」、「一緒に行こうよ」と約束しあう女性たち。そして当日の朝になると、彼女たちはきれいなアフリカンプリントのドレスを着て、背中に子ど…