マサイが飲むミルクティー「チャイ」―日本人大学生が見たマサイ社会の今②(ケニア)
目黒 紀夫 夏休みに学生をケニアに連れていった。そうすると、すっかりケニアに慣れ親しんでしまった自分にとっては当たり前だけれども、初めてケニアを訪れる身には予想外な物事があることに気付かされる。たとえば「チャイ」がそれだ…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
目黒 紀夫 夏休みに学生をケニアに連れていった。そうすると、すっかりケニアに慣れ親しんでしまった自分にとっては当たり前だけれども、初めてケニアを訪れる身には予想外な物事があることに気付かされる。たとえば「チャイ」がそれだ…
眞城 百華 北東アフリカのエチオピア北部からエリトリア南部にかけての地域では、民族衣装として白い木綿が使われる。男性は白いシャツとパンツを着たうえで、ガビと呼ばれる木綿ガーゼを何重にもした厚手のストールを上半身に纏い、女…
小山 祐実 カメルーン東部には狩猟採集民ピグミーのバカの人たちが広範囲にわたって住んでいる。バカたちは甘いものが大好き。日本人と一緒にコーヒーを飲むときも角砂糖を最低4つはいれ、それでもまだ遠慮しているようだ。バカ語で味…
村尾 るみこ 「えっ、トウジンビエ酒づくりを見に来たって?」 ンブンダ王の王宮のまわりに集い、せっせと酒をつくっていたンブンダの女性たちが驚いてこちらを振り返る。2015年に私がその場を訪れたとき、8月の王の就任式にあわ…
村津 蘭 ベナンでの生活で、私は多くの「当たり前と思っていたこと」が実は単なる思い込みに過ぎなかったことに気づかされたが、「石鹸は白くて硬いもの」というのも、その一つだ。 市場に並んでいるそれは、泥団子にしか見えなかった…
牛久 晴香 「ねえ、アニャリガマ。この色はいまいちかしら。」 アラーヒはバスケットをグルっと一周させ、できばえを確認するそぶりをしながらわたしに尋ねる。彼女はわたしの返事を分かっているに違いない。 「とってもいいじゃない…
浅田 静香 東アフリカ・ウガンダの首都カンパラで、私がお世話になっている家庭には、3人の年ごろの娘さんがいる。26歳のナイマ、20歳のシャムザ、そして16歳のジャミーラ(いずれも仮名)。3人は、家事や乳幼児の育児を手伝い…
黒崎 龍悟 タンザニアはキリマンジャロの名で知られるように、コーヒーの産地で有名だが、世界的に見ればコーヒー生産のシェアは、ブラジルが圧倒している。ブラジルには機械化されている大農園もあるようで、コーヒーの実(コーヒー・…
池邉 智基 セネガルの農村で調査をしながら生活していたとき、なによりも困ったのが種々さまざまなチクチクする植物です。トゲの多いアカシアの枝がサンダルを貫いたり、トゲだらけの種を踏んでしまったりと、何かとチクチクしたトゲの…
塩谷 暁代 庭の梅が少しずつ大きくなってきたよ、と息子が言いに来た。彼は、梅干しが大好きだ。今年も庭の梅が梅干しになる日を心待ちにしている。昨年は25キロの梅がとれた。その梅干しはもうない。息子が遊びに来る友達に「おもて…
溝内 克之 「トン、トン、トン」 夕方、心地よいリズムの音が家畜小屋から聞こえる。ここ数日体調を崩していたムシェク(高齢の女性の尊称)が、干し草を切る音だ。干し草を切るための板は、長年、使われてきた結果、ナタが当たる部分…
金森 謙輔 「今日、一緒にくるか?見たいって言ってただろ?」 居候先の隣人、カマールさんが呼びに来た。バンパーとグリルのない、エンジンルームがまる見えになったトラックの助手席に、わたしは乗りこんだ。カマールさんは、小さな…
八塚 春名 「今度くるときは、赤と青と、黒と黄色と…とにかくたくさんビーズを買ってきてね」とママ・マチョ。「あと、白もいるわ」とヘレナ。わかったよ、うん、うん、と相槌をうっていると、「ハルナも作りなさい、簡単だから」と、…
宮木 和 白い砂地につよい日差しが照りつける。サバンナをすこし歩いただけで頭がぼうっとしてきて、足が前に出なくなってくる。休むのにちょうどよさそうな木陰を探して、地べたに腰掛ける。やたらと体温があがっていることに気づいて…
目黒 紀夫 初めての出会いから約20年。わたしは駆け出しの大学教員となり、ジェレミアは間もなく父となる。ジェレミアはケニア南部に暮らすマサイの男性で、わたしの長年の調査助手であり親友だ。そしてまた、去年、わたしが初めて学…
岩井 雪乃 「すりおろす」という調理方法を私がタンザニアで初めてみたのは、2007年のことだった。それ以前は「おろし器」という器具はお店で売っていなかった。新しい電化製品などが流入してくるのとともに、調理器具も新しいもの…
服部 志帆 今年4月から大学で専門的にアフリカを教える機会に恵まれた。私が担当している授業はアフリカの入門から、応用色を強めたゼミに至るまで、すべてアフリカに関するものである。私が受け持つ学生の大半は、ヨーロッパ・アフリ…
大石 高典 さかなの炭火焼きとマニオクちまき(注)の組み合わせは、カメルーンの都市部で、もっとも安く、手っ取り早く、かつ美味しく食べられる外食の典型である。それぞれ、共通語であるフランス語で、”poisson brais…
目黒 紀夫 ウシ牧畜民マサイの人びとが多く暮らすケニア南部で調査をしていて幸せを感じる瞬間・忘れられない場面として、集落近くの草むらでみんなで輪になって、その日に屠畜されて調理された焼き肉(元は誰かの家畜)を食べていたと…
林 耕次 カメルーンの熱帯地域において主食や地酒の原料に用いられるキャッサバは,おかずにもなる。 定住した狩猟採集民バカ・ピグミーのことばで,この料理は“sia boma”とよばれる。sia は「削ったもの」,bomaは…