講義第一日目
アフリカの野生動物保護の現状について簡単に説明しました。
もし、わたしたちが日本からアフリカへいくとしたら、そのほとんどが野生動物を見るための国立公園へのサファリです。そこでは雄大な自然と、数多くの野生動物を目にすることでしょう。しかし、その周辺に住む人々の暮らしぶりについて思いを馳せることはほとんどありません。まるで野生動物と人間がきれいに分かれて暮らしているかのように感じることでしょう。
しかし、現状は少し違います。
国立公園では基本的に人間が暮らしたり、木を切ったり、牛を放牧させたり、狩猟をしたりすることは禁じられています。しかし、人々はこれらの「違法」とされることをして生活をしています。「密猟者」と非難される人々には彼らなりの言い分があるのです。「国立公園をつくることでわれわれは追い出されたのだ」、「白人だって狩猟しているだろう」、「象牙は高く売れる」等々です。彼らはどうしてこのようなことを述べるのでしょう。
授業では、「密猟」などの違法行為をする人々の言い分を、国立公園のなりたちや象牙の国際取引と関連づけて説明しました。後半では、ディスカバリーチャネル・野生動物最前線「コンゴの番人」(1998年10月18日放送)のビデオを見ながら、野生動物保護の現場で起こっているさまざまな問題を説明しました。
講義第二日目
前回の授業で説明したアフリカの野生動物保護をめぐって生じている問題を解消するためにおこなわれている環境教育活動、経済的利益の還元などの試みについて紹介しました。また、私自身が青年海外協力隊としてアフリカの野生動物保護の現場で働いたときの経験とそこで学んだことを話しました。
アフリカの野生動物保護の問題については、これが万能の解決策というものはありません。わたしたちにできることはまず、何が起こっていうかを知ること、そして、問題はけっして我々の生活とは関係ないところで起こっているのではないこと、すなわち共感をもつことが大切であることを最後に話しました。
授業の終了後、受講した生徒たちに感想・意見を記入してもらいました。