第59回アフリカ先生報告「ティンガティンガ教室in 福島」

井上 真悠子

2011年5月29・30日、福島市にて出張ティンガティンガ教室を開催しました。

㈰5月29日:あづま総合運動公園
一日目のティンガティンガ教室は、避難所になっている市内の体育館にて、避難者の方々の慰問のためにおこないました。子供たちの気晴らしになればと思って企画したものでしたが、当日は大人の方々もたくさんご参加くださいました。避難所のロビーにビニールシートを敷き、その上にカンガを敷きつめただけという急ごしらえの「教室」でしたが、あちこちに置かれたたくさんのティンガティンガの原画に見入る方、真似して描かれる方、昔行った絵画展のことや海外旅行のことを思い出して思い出話に花を咲かせる方など、皆さんそれぞれ、自由にティンガティンガを楽しんでくださいました。

あづま総合運動公園でのティンガティンガ教室の様子

*この日は都内のアフリカンレストランさんたち(池袋「オー・ビレッジ」/浜松町「カラバッシュ」/神楽坂「トライブス」他)が中心となって炊き出しをおこない、またアフリカ音楽&ダンスのパフォーマンスもおこなわれました。

㈪5月30日:三育幼稚園
二日目は福島市内にある幼稚園にて、年長組の園児約30人を対象にティンガティンガ教室をおこないました。一日目同様、カンガと原画を敷き詰めたシートの上で、原画をお手本にしながら思い思いのティンガティンガを描いてもらいました。毎年春に企画される上野動物園への遠足が、今年は震災のために中止になってしまったらしく、代わりにティンガティンガを見ながら動物さんを描いてみよう!という意図で開催されたティンガティンガ教室でした。一時間ほどの開講時間でしたが、先生たちも驚かれるくらいみんな熱中して描いてくれて、多い子は画用紙4枚分くらい、力いっぱい元気な絵を描いてくれました。今はあまり外で遊べないので、こういった珍しいイベントごとがあると嬉しい、とのことでした。

三育幼稚園でのティンガティンガ教室の様子

今回の一連のイベントでは、福島市内で「カレーハウス・ケニア」を営まれている三浦氏、および福島市議会の西方氏のご協力をはじめ、たくさんの方々にお世話になりました。心からお礼申し上げます。皆さまそれぞれに大変な状況の中、また、想像を絶するつらい思いや不安な思いを抱えられている中、私たちができることは本当に少しの小さなことしかありませんが、「アフリカ」という非日常が、せめてもの「今を耐える」気休めになれば、とても嬉しく思っています。

避難者の女性からいただいたお手紙の一部

この福島でのティンガティンガ教室は、駐日タンザニア連合共和国大使館の後援をいただいておこないました。また、フランシス・モソンゴさん(タンザニア大使館一等書記官)からは、以下の通り福島の子供たちへの温かいメッセージをいただいています。

「福島の子供たちへ、心をこめてお見舞いを申し上げます。天があなたがたに耐える強さと、乗り越える強さを与えてくれるよう、願っています。私たちの心も、あなたがたのそばにいます。孤独だとは思わないでください。日本も、世界も、ともに将来に希望をもてますように。
Ubalozi unawapa pole sana na tunawapenda, Mungu awape nguvu ya uvumilivu na kusahau yote yaliyotokea. Tuko pamoja na wao na wasijione wako peke yao. Wasikate tamaa wao ndio viongozi wa taifa la Japan na ulimwengu kwa siku zijazo.」

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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。