第80回アフリカ先生「藁科地理歴史講座」と写真展 報告

「アフリカからみた静岡の中山間地『わらしな』」

松浦 直毅

2014年3月8日(土)に静岡市の藁科生涯学習センターにおいて、藁科図書館が主催する「藁科地理歴史講座」で、「アフリカからみた静岡の中山間地『わらしな』」というタイトルで、講演をおこないました。講演の参加者は静岡市周辺に住む約20名で、ご年配の方々が中心でしたが、若い方々の参加もありました。アフリカに実際に滞在した経験を豊富にもち、様々な活動をなさっている方から、アフリカについてほとんど知らないけれど興味をもったという人まで、動機や背景もいろいろな方々に集まっていただきました。

講演ではまず、アフリカに関するニュースを紹介しながら、私たちの生活とアフリカがどのように結びついているか/これから結びついていくかを述べました。つぎに、私が調査をしているアフリカ熱帯雨林地域を中心に、人びとの日常生活、生業活動と食事、文化や社会などについて述べました。野生動物保全、食糧問題、地域開発などについても、どのような課題があるかお話ししました。休憩をはさんで後半は、アフリカと静岡をつなぐ活動として、一般向けのイベントや講演会、アフリカ人研究者との交流などを紹介するとともに、アフリカにおけるフィールドワークから学んだことを生かして静岡の中山間地で実施している、現地調査と学生実習について述べました。グローバリゼーションをテーマにしたゼミに所属する学生にも登壇してもらい、かれらの取り組みについて紹介してもらいました。2時間におよぶ講演でしたが、最後までどの参加者の方も関心をもって聴いていただき、質疑応答の時間や終了後に、たくさんのご質問をいただきました。

講演にあわせて、3月1日〜14日まで、藁科図書館内でアフリカ写真展を実施しました。図書館を訪れた多くの地元の方々に観ていただき、講演の日には、休憩時間に参加者のみなさんにも観覧していただきました。図書館での企画らしく、所蔵するアフリカに関する本を数多くならべていただき、たくさんの方に興味をもってもらえたようです。写真に対する感想として、「生き生きとしている」、「いい表情をしている」といったものが多く、アフリカの人びとの魅力をきちんと表現できたのではないかと思っています。また、料理に関して、「おいしそう」というものから、「見たことがない食べものがあってびっくりした」というものまでさまざまな感想があり、「食」の豊かさと多様さを伝えられたと思います。

図書館と連携することで本の紹介もしてもらいながら、写真展と講演も組み合わせることによって多面的にアフリカのすがたを伝える試みとして、十分に手ごたえを感じることができました。

講演のようす

図書館での写真展のようす