「アフリカゾウとの共存とは?−学生ボランティアの涙と感動のパトロールカー寄贈物語−」(2008年11月13日)
岩井 雪乃
恵泉では、年に1回「アフリカ楽」(アフリカがく)という講座を開いて、アフリカを知ってもらう企画を実施しています。この機会をいただき、30名の学生にお話させていただきました。
近年アフリカでは、野生のゾウが集落や農地に出没して作物を荒らし、時には人を殺す被害が深刻化しています。映像で被害の実態や背景を説明した後、早稲田大学で実施している学生ボランティアプロジェクト「エコミュニティ・タンザニア」の活動を、メンバーの学生から紹介してもらいました。ゾウによる農作物被害調査→ゾウ・パトロールカー寄贈→車の事故→管理体制の確立という3年間の流れと、その間にあった村人との葛藤が語られました。
早稲田大学法学部4年の飛高さんからのメッセージは、以下の内容でした。
現地に行ってみて、自分が役に立たない事実に直面し、自己嫌悪に陥った。そんな時、「ボランティアとして何かやらなければ」と気負うのではなく、「できる時に、できることを、できる分だけやればいいんだよ」ということを、現地の若者から教わった。その姿勢で「日本でできることを」と考えて、アフリカのことを日本に伝える出版社への就職をめざし、希望がかなった。自分にできる形でアフリカのお世話になった人に恩返ししていきたい。
恵泉では、「フィールドスタディ」という科目があり、途上国でボランティア活動に行った学生さんが多いので、自分の経験と重ね合わせた質問が多数出て盛り上がりました。私たちアフリックがアフリカ先生をやっているのも、「日本にいてアフリカのためにできること」を考えた結果です。恵泉のみなさんも、さまざまな形で、これからもフィールドの人たちとつながっていってくれればと思います。