
料理名(日・英・現地語)
ヤギの焼き肉(日本語)
Grille de chèvre(フランス語)
Soya na bele(バカ語)
食されている国や地域
アフリカ全域
この料理って?
日本ではヤギ肉といえば沖縄など、限られた地域でしか一般的ではないと思いますが、アフリカではほぼ全域においてポピュラーな食肉(家畜の肉)でしょう。今回、カメルーンの東部州で村のヤギを1頭買いして、屠殺・解体から始めて、焼き肉を堪能しました。食べやすい四肢の肉を始め、骨付きのあばら肉、背骨近くのいわゆる「ヒレ肉」のほか、心臓や肝臓などの新鮮な内臓肉も焼きました。消化器系の内臓や頭部は、解体を手伝ってくれた村びとが持ち帰りましたが、それぞれ煮込んで余すとこなく食べます。
材料10~15人分
- ヤギ:年齢や性別などにより、大きさや肉質は様々。今回は、3歳ほどのオス。
- 下味用の調味料:食用油と塩、現地で流通している化学調味料の「マギ」を混ぜたものを適量。
- 付け合せ:食す際には、好みで唐辛子の粉末、生玉ねぎのそぎ切りを添えて。
調理手順
1)ヤギを屠(ほふ)る。モスレムの男性による祈りのあと、喉元に刃を入れる。血液が飛散しないように喉の周辺は葉で覆われる。
ヤギの四肢を紐で固定して暴れないように準備。屠る際には、数人がかりで抑える。
2) ヤギが絶命したことを確認後、腹側から刃を入れて丁寧に皮を剥ぎ、四肢の部位を切り出したのち、内臓全体を取り出す。その後、首、あばら、背骨の部位ごとに、骨とともに山刀で豪快に切り分ける。
皮をはぎ、部位ごとに切り分ける。
3)各部位は適当なサイズに切り分け、下味をつけるため、手で肉の表面に調味料をすり込む。
解体後の肉。下味をつけるだけのシンプルな味付け。
4)焼き網を置いた薪木の遠火でじっくりと焼く。生肉から焼き始めた状態で、最低でも30分ほど要す(心臓や肝臓など、小さめの肉塊)。大きな肉塊は、表面の焼けた部分を切り出し、また焼き網に戻し焼き直す。
ほぼ焼き上がった肉の各部位。
5)焼き上がった肉は、網の上で、あるいは皿に移してナイフで一切れ大に切り分け、食す。
皿に移して、食べやすい大きさに切り分ける。
フィールドメモ
紹介者が滞在したカメルーン共和国の熱帯地域では、狩猟採集民や農耕民、他の地域から移住してきた商人らが共存している。普段見かける肉は、すでに解体され、燻製にされた状態の野生肉であり、生きた状態の動物を屠ることから調理するのを目にするのは稀である。これまで家禽である鶏を屠ることから調理をすることは何度か目にしてきたが、ヤギの場合は今回を含めて3回目であった。ヤギはアフリカの広い範囲で家畜として飼育され、特別な時に食される一般的な肉(畜肉)である。以前、沖縄で食べた際には、独特の獣臭さを感じたが、カメルーンで食べた肉はそうしたクセはなく、内臓を含めた部位ごとの味わいを楽しむことができた。狩猟採集民のなかには、家畜の肉を忌避する人がとくに老人にみられ、今回紹介したヤギのほか羊や豚を決して口にしない、という人がいるのは興味深い。
料理紹介者:林 耕次






