今回のアフリカ先生は、「環境学公開講座 ㈼人類学系コース」の連続講座の第6回で、バオバブ(Adansonia digitata)という植物の特徴や、利用法についてお話しました。
まず、バオバブとはどのような木なのか、どれほど大きくて、またどうしてそんな巨木になれるのか、ということを植物学的に説明しました。また、バオバブの分布地図からバオバブが乾燥地に生育しているということを確認してもらった上で、バオバブのどのような特徴が乾燥地での生育を可能にしているのか、ということを説明しました。
そして、そんなバオバブを、タンザニアの人びと(特に私の調査地域の人びと)がどのように利用しているのか、写真を見せながら話しました。実、葉、種子、樹皮、あらゆる部位が利用可能であるバオバブですが、今回は実を使った例としてバオバブジュースを生徒さんたちに飲んでもらいました。バオバブジュースは酸味があり、口の中でざらつきます。生徒さんたちは、これまでに飲んだことのない味や食感に戸惑いながらも興味を示してくれました。また、樹皮を利用した例として、ロープやほうき、酒を濾す袋なども実際に手にとって見てもらいました。
この授業から、タンザニアの人びとがひとつの植物を多様に利用しているということと、特別なモノではなく身近なモノを作って創意工夫を凝らしながら様々な道具を作ったり、食材をそろえているということを感じてもらえたら嬉しいです。そして、このように知恵を使って工夫をしているかれらの生活をヒントに、「モノがない=貧しい」ということなのか検討してみてほしい、と述べて授業を終えました。
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