第46回アフリカ先生報告 京田辺シュタイナー学校「ザンビアの焼畑に学ぶ」(2010年6月18日)

村尾 るみこ

京田辺シュタイナー学校は、アフリックと同じNPO法人。
門をくぐると、明るい木造の校舎で生徒さんが授業をうけているのが見えます。 この日は、中学校3年生から高校3年生に該当する生徒さん75名ほど+先生方を対象に、ザンビアの焼畑農業についてお話しました。

話した内容は、ザンビアについての概要説明、焼畑農業の特徴やそこで栽培されているキャッサバという作物をめぐる人びとの工夫でした。パワーポイントで、ザンビアの概要や焼畑農業の様子、キャッサバクイズなどを盛り込んで、アフリカを少しでも身近に、現地の農業について視覚からも理解してもらえるよう講演しました。

ザンビアでは、自然破壊の元凶といわれる焼畑農業が、人びとの生活を支える営みとなっています。
人間が自然のなかで生きていくことは、自然を「破壊」することであることは確かですが、同時に、人間がときに厳しい環境に住み、そこで食べていくための知識や技術をはぐくむ行為も含まれています。日常のなかで直接的には自然を「破壊」することの少ない私達にとって、ザンビアの焼畑でこらされている工夫に注目し、もう一度自然と人間の関わり方について考えていくことができないでしょうか。そうして、私たち人間が土からとれる作物を食べ、生きていくことの意味を、もう少し考えてみることができないでしょうか。
そうよびかけて、講演をおわりました。

講演70分+質疑応答15分の長時間、生徒さんも先生方も、ずっと集中して話を聞いていたのが印象的でした。こちらの呼びかけにも、あれこれ想像をふくらまして声を返してくれました。質疑応答も、素朴な疑問から、答えに困る質問まで、いろいろバラエティーがありました。アンケートには、自然と人間の共生は難しい課題だけれど、馴染みのないキャッサバという作物の面白さに興味をもってもらえた様子が書かれていました。