第1話「にぎやかな熱帯林」(2006年1月22日)

服部 志帆

チャイ(アフリカン・ミルクティー)を飲みながら、カメルーンの熱帯林に暮らす狩猟採集民のバカ・ピグミーについて語りました。フィールドで撮ったスライドをスクリーンに映し、アフリカの森に暮らす動物や植物、そしてそのような森の動植物に強く依存しながら暮らす森の民の生活ぶりを、エピソードをまじえて話しました。参加者は、アフリカに関係するNPOをしているご夫妻、娘さんがアフリカでボランティアをしているという女性、JICAの職員さん、京都の大学で研究をしているマリ出身の男性とその家族など、アフリカに関心を持つ人がほとんどでした。しかし、時には自習をするためにセンターを訪れる高校生がのぞきにやってきて、興味深そうにスライドを見ていました。

小話報告

8000種をこえるといわれる植物が生育するアフリカの森には、哺乳類や鳥類、魚類、爬虫類や昆虫などさまざまな動物が生息しており、中には絶滅危惧種であるゴリラやチンパンジーなどもいます。そのような多くの動植物に強く依存しながら、ピグミーは生活を営んでいます。森で狩猟や採集、漁労行う一方、畑で農耕も行っています。熱帯林では雨季と乾季があり、これらの季節に合わせて彼らは森の産物を利用します。とくに、乾季には数ヶ月にわたり遠く離れた森の奥のキャンプに滞在し、男性は狩猟やハチミツ採集、女性は掻い出し漁という漁労に励みます。また、男女ともに野生のヤマノイモやさまざまな果実の採集を行って過ごします。子供たちもお父さんやお母さんについて行き、森で生活する技術や知識を学びます。

参加者の方々は、スライドが変わることに、バカ・ピグミーの生活についてさまざまな質問をしてくれました。スライドの説明を終えて、最後に、メディアが伝えるアフリカのイメージがアフリカのすべてではなく、たとえばアフリカの森で暮らしているバカ・ピグミーなど、アフリカでは多様な民族がさまざまな価値観を持って、それぞれの生活を送っているということを伝えたいということと、私たちにとって自然とは二種類の自然があり、一つは道端に生えているような草花など身近な自然と、もう一つは普段の生活とはかけ離れているけれど、そこにあると想像するだけで心が豊かになるような雄大な自然で、アフリカの森には豊かな自然と自然に寄り添って暮らしている人々がいるということを述べました。

その後、参加者から、バカ・ピグミーの薬や健康、伐採や自然保護などアフリカの森を取り巻く現代的な問題、近代化の影響などさまざまな質問が出ました。また、アフリカの政府がピグミーをどのように扱ってきたのかという話から、アフリカの政府が目指す西欧的な近代化が、さまざまな生活や文化を持つ民族のことを考慮していないかという問題にまで発展し、予定を大幅に過ぎて17時前までディスカッションが続きました。一般市民の方々にアフリカについて話す機会は初めてだったので、戸惑うことも多かったのですが、参加者の関心を知ることが出来たことや、今後とも関わっていけそうなつながりが出来たことはよかったと思います。

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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。