近藤史、大石高典
今回は、兵庫県篠山市にあるチルドレンズミュージアムで開催されたこどもワンダーカーニバルに参加し、子どもを対象としたワークショップ形式の講座を実施しました。テーマは、”アフリカの布をまとい、アフリカの子どもが大好きな飲み物・チャイをつくって飲んでみよう”。また、あわせて、アフリカの生活に関する映像作品を展示し、ワークショップ参加者以外にも自由に見て頂きました(資料提供:大石、岡本)。
ワークショップの流れは、以下の3ステップ。
- カンガ布に着替える
- チャイに使う多様なスパイスの香りを楽しむ
- チャイを作り、味わう
これを4回実施し、合計16人程度の参加がありました。参加者は主に幼児から小学生ですが、大人の方もOK。小さいお子さんは、保護者の方と一緒に参加してもらいました。人見知りや恥ずかしがりの子も、自分とお母さんに似合うカンガ布を選んで、親子で布をまとうと、ぐっとアフリカの世界に引き込まれておしゃべりしやすくなるようでした。親子参加のワークショップ形式のアフリカ先生がもつ可能性は奥が深そうです。
ただ、普段の講義とは違う準備も必要で、私たちもスキルを磨く必要があるなと反省しました。当初は、チャイを味わいながら、アフリカの生活に関するお話を聞いてもらう予定でした。しかし参加者の年齢層が低く、パワーポイントを用いたプレゼンテーションには不向きだったため、全面映像に切り替え、興味を持って近づいてくる子どもたちと会話する方式に変更しました。
子どもたちは、映像のストーリーや説明っぽいところにはまったく関心を示さず、毛虫をどうやって食べるか、触って痛くないのか、幼稚園の毛虫も食べられるのか、なぜ木の実を搗いて食べるのか、ナマズは食べられる魚なのか、アフリカの子供の髪の毛が違う(縮毛)のはなぜか、など彼らの直感的な世界に触れるような部分に関心を持ったようです。彼らは、映像を彼らなりの客観的な目で見て(観察して)質問してくるので、意外性があって面白かったです。
メディアの影響が及ぶ前の乳幼児〜小学校低学年の時期のアフリカ教育というのも可能性のある分野なのかもしれないと思いながら帰路につきました。