カメルーン、森の民ピグミーと自然保護計画

服部志帆

まず初めに、自己紹介をしました。自分が高校時代に夢中だったことやアフリカなんて考えもつかなかったことを話し、大学では環境問題に関心を持ったことから、「自然と共生」について考えたいと思うにいたったこと、自然と近い距離にあるピグミーから「自然と共生」するヒントを得たいと思うようになったこと、などを昔書いたエッセイを朗読しながら話しました。それと、「森で自然と共生するために必要なこと」と、「現代の日本で自然と共生するために必要なこと」はいったい何か、と疑問を投げかけ、この授業を通して考えてほしいとお願いしました。

次に、80枚のスライドを使い、生徒さんを森へ初めて案内するような気持ちで、自然系の番組を真似て作ったナレーションのようなものを読みました。スライドは、森へ向かう道から始まり、村の様子の自然環境、森に暮らす動植物、住居作り、物質文化、移動生活、狩猟、キノコやハチミツ、フルーツ採集、漁労、水くみ、薪割りなど生活を中心にすすめ、最後に大河に沈む夕日で終わりました。どうしてもピグミーのポリフォニーを聞いて欲しかったので、スライドのバック・ミュージックとして流しました。また、物質文化のところで、木臼、杵、まな板、すりこぎ、カゴなどを回しました。

スライドの上映を終えた後、まとめとして、ピグミーが「森と共存するために必要なもの」について話しました。それは、あらゆる生き物を養う「豊かな森」とそこで生きていくための「技術と知恵」であるということ、そして、彼がこれまで森で暮らしてきたといわれる歴史について話しました。また、「日本で自然と共生するために必要なこと」という問題に戻り、私がピグミーから教わったこととして、「自然の気配を読むセンスを磨くこと」を提案しました。もちろん、磨き方に個人差があって当然であることや、なんでもいからちょっと自然に関心を持ってみてはどうか、と言ってみました。でも、これが実際の環境問題を解決する上で直接的に大きな影響力を発揮するわけではなく、第一歩であるということも言い、あとは私も模索中であると言うことを述べました。さらに、最後に、これまでスライドで見てきたピグミーの生活が、加速し続ける伐採事業や自然保護区からの追い出しによって難しくなりつつある現状があることを述べました。そして、「いったい森は誰のものなのか」と問いかけて終わりました。

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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。