第40回アフリカ先生報告『京都精華大学公開講座:アフリカに気をつけろ!』 「都市型ヘア・ファッションと美容師たち」(2009年12月18日)

織田雪世

京都精華大学の公開講座「アフリカに気をつけろ!」で講演をしてきました。これは、さまざまな講師陣がパンチの効いたアフリカ文化を紹介する、全4回のリレー式講義です。私が担当したのは第3回です。「ガーリッシュ1.2.3.−ファッション☆トップ3−」と題し、京都大学の中村香子さん、遠藤聡子さんと3人で、アフリカのファッション事情についてお話をしました。まず中村さんが、東アフリカ・ケニアで牧畜をしてくらす人びとのビーズ装飾の話、それから遠藤さんが、西アフリカ・ブルキナファソの女性が大好きなパーニュと呼ばれる布の話をご紹介しました。

私は、西アフリカ・ガーナの首都アクラの女性たちのヘア・ファッション事情、それから彼女たちの髪を扱う女性美容師たちについてお話ししました。いまガーナでは、都市女性の多くが毎週のようにサロンへ通っています。それはいったいなぜなのか、どんな社会的、経済的、文化的な背景があるのか、そして、サロンではどんな女性たちが、どんなことを考えながら働いているのか、といったことを、写真や図、映像などをたくさん使って、ご紹介しました。

会場では、講師3人が持ち寄ったさまざまな写真パネル、ビーズ装飾、布などを展示したり、ビーズ装飾の着つけをしたりしました。主催者である京都精華大のご協力により、アフリカ発のティンガティンガ画や色鮮やかな布などの販売も行い、とても華やかに盛り上がりました。

受講者の皆さんからは、「とても楽しかった」「身近でおもしろかった」「アフリカの女性達が日本の女性以上にファッションにこだわりがある事を知り、とても興味深かった」などの感想をいただきました。また、講座全体についてのアンケートでも、「アフリカのイメージは、内戦や自然などの画一的なものが多いが、私たちの生活との共通点を扱っていたので、具体的にイメージができた」「映像や音楽をまじえた講義が多くわかりやすかった」「もっともっと聞きたかった」といったコメントをいただきました。

いい意味でアフリカのイメージをこわし、そこにあるわくわく感を伝えること、アフリカとその人びとを身近に引き寄せ、日本に住む私たちとの親近感を感じてもらうこと。それが私のめざしていることの1つです。短い時間の講義ではありましたが、それが少しでもできていたら、とても嬉しく思います。

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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。