タンザニア中央部に暮らす人々

八塚春名

今回は、タンザニア中央部に暮らすサンダウェという人々の、朝起きてから夜寝るまでを、スライドを用いて説明しました。

彼らは朝焼けのなか目を覚まし、まずは朝一番の仕事である水汲みへ出かけます。村にはイタリア人のキリスト教ミッションの人々が設置した水道が4つあります。雨の少ないサンダウェの村では、水の確保は大切な仕事です。朝一番に水道まで行ったとしてもすぐに水が出るわけではないので、バケツを置いて順番取りだけして帰ってくる人、おしゃべりをしながら水が出るまで待つ人、水道の近所の家で朝食をいただく人、いろんな人がいます。

軽い朝食を済ませたら、畑や放牧といった仕事に出かけます。彼らは自分の畑に行くだけでなく、他人の畑も手伝いに行きます。畑の持ち主は労働力が欲しい時に、バケツいっぱいの地酒を用意します。するとその酒を目当てに、親戚、近所の人、通りすがりの人・・あらゆる人が手伝いに来てくれるのです。しかし、30分働いたら1時間酒を飲んで休憩といった具合で、私は最初、彼らのペースにとても戸惑いました。

大人たちが働いている間、子供たちは一緒に畑について来たり、兄弟や友達と林をかけ回って遊びます。子供たちはそんな遊びを通して、食べられる植物の種類や動物の獲り方といった自然との付き合い方を学んでいきます。

一方、小学校に入学している子供たちは、朝7時から学校が始まります。この村の小学校はWFP(世界食糧計画)の給食プログラムの対象になっていて、毎日10時の軽食と12時の昼食が用意されます。そのため子供たちは毎日、給食の調理に使う水と薪を持って学校へ通います。

昼からは気温がぐんぐん上がり、暑い時には40℃にもなるため、みんな家の中や木陰でおしゃべりをしたり、酒を飲みながら歌い、踊って楽しい時間を過ごします。

夕方になって少し動きやすくなると、家の近くの畑に行ったり、晩のおかずを探しに行ったりします。そしてお母さんが作った夕食をみんなで食べ、8時から9時の間に寝ます。

彼らの村には、電気もガスもなく水道は4つだけしかありません。雨は少ないし、日差しは強く昼間は40℃にもなります。とても不便で大変に聞こえるかもしれませんが、彼らはこの環境で生活するためのさまざまな知識を持っており、ただ不便で大変なだけの日々ではありません。たっぷりの睡眠時間、早寝早起き、適度な運動・・・彼らは私たちが理想とするようなとても健康的な毎日を過ごしています。また、村で盛大な結婚式が行われたり、青空の下で卒業式が行われたりと、お祭りのような楽しい日もたくさんあります。

アフリカと言うとどうしてもマイナスなイメージに偏りがちですが、もっと楽しくポジティブな面もたくさんあるのでそういう面も見て欲しい、ということを最後にお伝えしました。

ABOUTこの記事をかいた人

日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。