料理名(日・英・現地語)
ニセゴマのネバネバ ピーナッツ入り
lhumbuluu (Sandawe語)
mlenda (Swahili語)
食されている国や地域
タンザニア ドドマ州
この料理って?
タンザニアではオクラや多種の植物の葉を使って粘り気のあるおかずを作ります。これらはすべて公用語のスワヒリ語では「ムレンダ」と呼ばれますが、使う材料は地域や民族によってさまざまです。この料理は、ドドマ州に暮らすサンダウェという人々が「シュンブルー」と呼ぶ「ムレンダ」の1種です。
材料(4人分)
- ニセゴマ(Ceratotheca sesamoides)の葉 片手でつかめる程度
- カボチャの葉(なければ他のウリ類の葉でもOK)中サイズを4,5枚
- アマランサス(Amaranthus graecizans、A. hybridus)など他種の葉やオクラ(あれば) 適量
- トマト(お好みで)小1/2個
- ピーナッツ200ml容器いっぱい程度
- 塩適量
- 重曹小さじ1杯程度
※ニセゴマは、畑や庭先など人が踏み荒らした土地に生える雑草で、ゴマの仲間です。
※写真ではトマトが入っていますが、トマトはなくても十分おいしくなります。
調理手順
1) カボチャの葉はすじをとり細切り、オクラを入れる場合は細かく輪切り、ピーナッツは臼と杵でついて細かく砕く。
2) 湯をわかし、沸騰する前に重層を入れる。
3) トマトを入れる場合は、小さく切ったトマトを2へ入れる。
4) 沸騰したら、ニセゴマ、カボチャの葉、その他の葉をすべて2に入れ、それぞれの葉が柔らかくなるまでコトコトと煮る。
5) 葉が柔らかく煮えたら、塩を加え、かきまぜ棒(泡だて器でもOK)でいっきにかきまぜる。
6) 細かく砕いたピーナッツに少し水を入れペースト状にする
7) かきまぜて葉が小さくなり溶けてきたら、6を入れて塊ができないようにかき混ぜ、できあがり。
※この地域では、先端が矢印型になったかきまぜ棒を使います。これでいっきにかきまぜて、しっかり粘りを出すことがポイント。
ニセゴマの葉だけを選別し、カボチャの葉のすじを取る
湯を沸騰させたら葉を入れて煮る。葉が柔らかくなったらかきまぜる
できあがり!
ウガリ(固練り粥)につけて召し上がれ
フィールドメモ
タンザニアでは、広く一般的にムレンダは最も素朴な家庭料理として認識されています。お客さんをもてなすものではなく、非常に庶民的な料理とされ、経済的に余裕があり、ムレンダをほとんど食べない世帯も少なくはありません。しかし、ドドマ州の人びとはムレンダをよく食べ、材料となる植物の葉は、生や乾燥させた状態で町のマーケットでも販売されています。そして何より、ドドマ州の人びとはムレンダが好きなのです。ムレンダは、炊いたごはんにかけて食べたりそのまま食べたりすることはなく、必ず、スワヒリ語でウガリと呼ばれる穀物で作った固練り粥と一緒に食べます。
各地でさまざまな材料が使われるムレンダですが、サンダウェにとってはニセゴマの葉がムレンダづくりには欠かせません。このレシピのほかにも、マメを入れたり、ニセゴマだけで作ったりと、サンダウェのムレンダにはいくつもの異なる作り方がありますが、それはまた別の機会に。