いよいよ国家試験を受験します!

 

今月、4人のこどもたちが、仕立て屋と髪結いの国家試験を受験します。現在、手続きなどの準備を進めています。当初の予定では、2020年12月に髪結いと仕立ての国家試験を受験する予定でした。しかし、見習い生の技術レベルが合格レベルに達していないというパトロン(子どもたちに技術を教える店のオーナー)の判断により3カ月遅らせ、今月2月の受験にずらすことになりました。子どもたちの技術習得が遅れた要因として、訓練の機会が想定より少なくなってしまったことが挙げられます。

 

仕立て屋の場合、これまでのパトロンの指導に問題がありました。1人目のパトロンは、見習い生に技術を開示することを渋っていただけでなく、固定客もおらず、仕事もさぼりがちでした。そこで、2人目のパトロンとして、既に客を持っている人に指導をお願いしました。しかし、見習い生を市場に行かせ、自分の商品を売りに行かせるなどの搾取的な行動や、電気代の未払い、必要な訓練をしないなどの問題が出ていました。そのため、現在の3人目のパトロンに来てもらいました。このように、パトロン交代のために生じた空白期間などによって訓練が滞っていましたが、現在のパトロンのもとでは問題は起きておらず、順調に訓練が進められています。

一方、髪結い屋のパトロンは設立当初からきちんと仕事場に来て、熱心に子どもたちを指導してくれています。ただ、髪結い屋に来ているお客さんがそもそも少ないため、見習い生の実地訓練の機会が少ないという要因があります。お客さんを増やすには、パトロンの身なりや髪型を華美なものにしたり、店構えを改装したりして、道行く人を惹きつけることが有効だと現地のスタッフは言います。しかし、それらを実施するにはお金がかかるため、パトロンに対してNGOから援助を捻出することは困難です。そこで、まずは新規のお客さんを増やすために、初回半額キャンペーンや、お友達紹介キャンペーンなど、元手がかからない施策を実施する方針です。

 

今回の試験に合格すれば、子どもたちはNGOを卒業することになります。自分のアトリエを開くことは簡単ではありません。そのため、子どもたちが身につけた技術を生かせるよう、アトリエを開くためのサポートもしていく予定です。全員無事に合格できることをスタッフ一同応援しています。

見習い生とNGO専従スタッフロジェ。みんなバッチリおめかし。おそろいの布はロジェから子どもたちへの新年のプレゼント。

 

みんなでわいわい、ニューイヤーパーティー