職業訓練所で学ぶ少女たち:ソニアの場合

 

ソニアは小柄でよく笑う、可愛らしい印象の子です。彼女は早くに母親を亡くし、母方の祖母と二人で暮らしていました。父親は新しい妻と他のこどもと違う町で暮らしており、畑仕事をしています。しかし、経済的な余裕がないため、ソニアへの援助はありません。祖母は洗濯石鹸などを売っており、時々捻挫のマッサージなどもして生計を立てています。ソニアのオジは、経済首都コトヌーでバイクタクシーの仕事をしており、ソニアと祖母の生活の面倒も見ています。しかし、ソニアを学校に行かせたり職業訓練に行かせたりするような余裕はなかったため、ソニアは幼い時から祖母の仕事の手伝いをして生活していました。祖母が福祉センターに相談していたことがきっかけでソニアの存在をしり、NGOで受け入れることにしました。

ソニア

ソニア

 

ソニアは、音楽を聴くことが好きです。ベナンの人は音楽が好きで、町のあちらこちらでラジオや携帯電話を使って音楽を聴いている人がいます。携帯電話で音楽を聞く場合でも、日本のようにイヤフォンを使うのではなくスピーカーにして聞いている人の方が多いのですが、ソニアもそうした音楽を一緒に聴くのが好きなようです。好きな食べ物は、とうもろこしの粉を練り固めた主食(フォン語でウォーと呼ばれます)と野菜のソースです。

髪結いの訓練では、基本的な編み込みを習得した後は、実際に様々な髪型を編み込んで作っていきます。最初は難しかったようですが、ソニアは習得が早く、今では多くの髪型を作れるようになりました。

 

ソニアが練習のために作った髪型。モデルになっているのは他の見習い生であるフランソワーズ。

 

ソニアは髪結師の免許がとれたら、できれば経済首都に行って働き、様々な髪型モデルを習得したいと言っています。訓練生の中でもとりわけ手先が器用ですが、緊張せずに無事試験に受かることを願っています。