第74回アフリカ先生「いまづ環境学公開講座」(兵庫県立西宮今津高校)報告

「虫の恵み ケニアのシロアリ食文化」(2013年11月18日)

庄司 航

2013年11月18日に「虫の恵み ケニアのシロアリ食文化」と題して、西ケニアで食べられるシロアリの料理についての話をしました。西宮今津高校でアフリカ先生の講義をするのは、今回で2回目で、前回よりだいぶ落ち着いて臨めたと思います。

はじめに、ケニアの自然や社会の概要を説明しました。ケニアの位置を示し、多くの民族や言語があること、農業のほかにも牧畜という生業もあること、などを解説しました。もっとも、ケニアの位置などは事前に白地図などで勉強されていたようで、それほどくわしい解説は不要だったかもしれません。

それから今回の話の舞台である西ケニアの農村についての話をし、本題のシロアリの料理についての話をしました。シロアリの捕まえかたから始まり、料理法や味について、シロアリの生態などを写真や図を見せつつ説明しました。実物を食べてもらうことができれば理想でしたが、それは無理だったので味については想像してもらうほかないのが残念ではあります。実際に食べてみた私の感想として、もし日本で売っていても買って食べようと思うくらいになかなかうまいものだ、と付け加えておきました。また、日本にもいろいろな昆虫を食べる文化があることを紹介しました。

一通り話が終わったあと、虫を食べたことがありますか、と聞いてみたところ、祖父母の家で食べたことがある、という生徒さんがいました。しかし、大半の生徒さんにとっては虫を食べること自体が見慣れないことであったようでした。

今回の昆虫食の話を通して、人間の食生活の多様性について関心を持ってもらえたらいいなと思っています。