第22回アフリカ先生報告4

「カラハリ砂漠のブッシュマンは今」

丸山 淳子

いまづ環境学公開講座2007 の第8回目。生徒の皆さんが、ようやく「アフリカ」に慣れてきた頃に、「カラハリ砂漠のブッシュマンは今」と題して授業をしました。30数名の高校3年が、授業のあとに感想文を提出しなくてはならないためか、丁寧にメモをとりながら聞いてくれていたのが印象的でした。

最初に、カラハリの自然環境とブッシュマンの言語や狩猟採集活動について写真を用いながら概観した後に、近年の定住化政策について説明しました。続いて、高校生と年齢が近いブッシュマンの若者達に焦点をあて、インフラの整った定住地の様子やそこでの生活ぶりと、週末や長期休暇に現在でもおこなわれる狩猟や採集活動について紹介しました。狩猟については、私が撮影した「トビウサギ猟」の映像を10分ほど見てもらいました。自分の撮った映像を授業に使ったのは初めてでしたが、やはりお話や写真だけよりもダイレクトに狩りの様子が伝わるらしく、熱心に見てもらえたようです。トビウサギ猟が、獲物や道具などの自然に対する深い知識と経験に基づいたもので、さらにその肉が人々のあいだをつなぐ重要な働きをすることなど、説明を加えながら進めました。

狩りというかたちで自然と関わる経験をもつ日本の高校生はほとんどいないと思いますが、映像によって、そのおもしろさが伝わったのか、感想文に「いつかカラハリでブッシュマンと狩りをしてみたい」と書いてくれた生徒さんがいたのは、嬉しかったです。彼らが、いつかもう少し大人になったときに、ふとこの公開講座のことを思い出して、アフリカのことが気になったり、行ってみたくなったりしたらいいなと願っています。

また授業に続いて、写真展も開催しました。この高校のなかで最も人通りの多い「銀座通り」に30枚以上の写真を展示しました。公開講座の講師陣の写真に加えて、新会員の新しい写真も展示することができ、よりバラエティあふれる、アフリカの様々な側面が見えるものになったと思います。