公開セミナー(アフリカ入門): 「ローカルNGOのグローバルな活躍〜アフリカゾウとの共存をめざすタンザニア人の挑戦〜」(2014年7月7日)

目黒 紀夫

2014年7月7日(月)の七夕の日に、東京外国語大学にてアフリカ入門と題した公開セミナーを開きました。講師はセレンゲティ・人と動物のプロジェクトのパートナーNGOであるSEDERECのダミアン・トビアス・マゴリさんです。アフリカに興味をもつ学生や一般の方に加えて、研究やビジネスですでにアフリカに長く行ったことのある人も交えての会となりました。

この日は、はじめにセレンゲティ国立公園の周辺に暮らす人たちとアフリカゾウとの関係を説明しました。次に、そうした問題に直面する地域社会を支援し、人間とアフリカゾウが将来にわたって共存できるようにするために地域の若者が2005年に設立したのがSEDERECでありダミアンさんも創設者の一人であること、そして、夜間に群れで畑を襲うアフリカゾウの被害を食い止めるためにSEDERECがアフリックとともに新たに試みているハッピーハニー・チャレンジのこれまでの成果と今後の方向性が語られました。

その後の質疑応答では、村人がアフリカゾウや保全活動をどのように意識しているのかという点や地域社会においてアフリカゾウは文化的にどのような位置づけにあるのか、あるいは、農作物被害はどのような歴史的な経緯をたどって深刻化してきたのか、養蜂箱を用いた対策にどれだけの将来性があるのかといった点について質問が出され、ダミアンさんが一生懸命に答えてくれました。終わったあとでダミアンさんは、いろいろな日本人とたくさん話ができて良かったといっていましたが、こうした交流と議論の場をまたつくっていきたいです。