第63回アフリカ先生「いまづ環境学公開講座」(兵庫県立西宮今津高校)報告

「これって食べられるの? ケニアの首都ナイロビでみられるかわった野菜たち」(2011年12月1日)

庄司 航

私は、ケニアの首都ナイロビで見られる伝統野菜についての話をしました。はじめにアフリカ大陸の地図を見せ、いくつかの国に番号をふり、何番がケニアかあててもらいました。ケニアが東アフリカの国であることを説明し、また、エジプトや南アフリカ共和国といった他の国についても少し紹介しました。そしてサハラ砂漠やナイル川といったアフリカ大陸の特徴的な自然環境についても説明しました。生徒さんたちは国の名前を聞いたことがあっても、なかなか場所まではわからないようです。もう少し詳しく説明してもよかったなと思いました。

それからケニアの一般的な話をし、首都ナイロビは大都市であり、さまざまな民族の人が入り混じっている場所であることを説明しました。ナイロビの雑踏と喧騒の様子を示したかったのですが、あいにく動画はもっておらず、写真から雰囲気を感じてもらう、ということになりました。

私が最近調査した、ナイロビで売られている伝統野菜について、写真を見せながら料理法など説明しました。難解になるのを避けようと植物の学名や方名を出さずに説明しようとしたのですが、かえって分かりにくくなった気がします。「日本でいう〜に近い植物」などという説明の仕方がいいかもしれないと思いました。野菜料理のあく抜きに使う液体を味見してもらいました。日本でも似たものを山菜料理に使うことがあるのですが、なじみはなかったようで、奇妙な味に驚いていた様子でした。これは持っていってよかったと思いました。

その後、我々がふだん食べる野菜は、長い間の品種改良の結果であり、もともとの形から大きく変化したものであるということを指摘し、栽培植物の進化について考えてもらおうと計画していました。また、ナイロビのような大都市が野菜の需要を生み出し、野菜の栽培化をもたらす例があることを、平安京や江戸など日本の都市の例もあげつつ説明しようとも思っていました。しかしその話に少しふれたところでチャイムが鳴り、時間切れとなってしまいました。聞いている人の反応に合わせて臨機応変にしゃべりつつ、かつ計画した時間どおりに話をするのは非常に大変なことだと実感しました。

しかし、人なつこい生徒さんたちで、途中で質問もしてくれ、私としてはとても話やすかったです。反省を生かしてまた授業に挑戦したいと思います。