トウジンビエ酒

料理名(日・英・現地語)

トウジンビエ酒(日本語)
Bwala bwa mashangu(ンブンダ語)

食されている国や地域

アンゴラ、ザンビア

この料理って?

ンブンダの人びとが、王様のお祭りや割礼の際、またトウジンビエがたくさん収穫できる4月以降につくる濁酒です。

材料30人分

  • トウジンビエ150kgくらい
  • ドラム缶2本分

調理手順

1)約50kgのトウジンビエを水で浸し、発酵させるため一晩おく。発芽させたトウジンビエmashangu wa mumenoができる。
2)水から1)をあげてマットの上に広げる。一晩おく。
3)ムシビ(学名:Guibourtia coleosperma)の葉で2)の上面を覆う。
4)ボール状のダマができたか確認しながら3日間ほど放置する。

5)1)~4)とは別に、1週間水にさらした後暗所に放置し準備した約50kgのトウジンビエを少しパウンドする。

6)なべに湯をわかし、ポリッジ状(muwaila)になるまで木べらでまぜる

7)6)をひょうたんにいれ、一晩おく
8)7)をもう一度なべに移し沸騰させまぜる。これを放置して3日放置し冷やすとcimbaluilaと呼ばれるものができる。
9)4)でダマになったトウジンビエをパウンドし、7)の冷却済みのものとまぜる。
10)9)までの作業とは別に、50kg程度のトウジンビエを木臼でついて湯の沸いたなべにいれポリッジ状のmuwailaをつくる。これをなべ10個分つくる。
11)8)のcimbaluilaと10)をまぜる。一晩ねかせる
12)ふるいで11)をこすと、完成。

 

フィールドメモ

アンゴラでは毎年王様のお祭りを開催します。その際王族の女性たちが集まってつくっていたのがこのトウジンビエ酒です。全工程2週間はかかるトウジンビエの酒つくりは、王族の女性たち5人が中心になって作っていました。王様の就任式にあたるこの祭りには、ンブンダの伝統宗教と関わるトウジンビエが清めの粉や祝いの酒として使われています。トウジンビエは今日まで主に主食の練粥の食材として使われていました。以前は焼畑を造成しはじめる際の農耕儀礼や割礼の祝いにも使われていたトウジンビエの粉や酒ですが、トウジンビエの栽培量が減ったことや紛争で長い間王族も王も散り散りになっていたこともあり、近年では主食食材としても儀礼などのときにも見られる機会が少なくなりつつあります。ザンビアのマーケットでは、トウジンビエのブレッド アフリカ便り「アフリカン・ブレッド」 も販売されていたりと、地域によってはさまざまな用途で食されています。

アフリカ便り
マキシと森に住む人びと
新たな世代で担うダンス

紹介者:村尾 るみこ