料理名(日・英・現地語)
イモムシの揚げ炒め(日本語)
Caterpillar (英語)
Vinkhubala (ニャンジャ語)
Ifishimu (ベンバ語)
食されている国や地域
ザンビア(首都ルサカを含む北部州)
この料理って?
主食のシマ(トウモロコシ粉の固練り粥)のおかずとして、食べられている。首都ルサカでは干しイモムシ(3カップほどで15クワチャ=約150円)はカペンタと呼ばれる小魚を干したもの(3カップほどで10クワチャ=約100円)より少し高級だが、高栄養たんぱく質として認識され、イモムシを使ったこの料理は年齢問わず人気。サクラエビのような食感で噛めば噛むほどじわりと味が染み出す一品である。
材料3~4人分
- 干しイモムシ2カップ弱(80匹ほど)
- 玉ねぎ1個
- トマト1個
- 油約大さじ4
- 塩約大さじ1
調理手順
1)水を1.5リットルほど沸かす。
2) 沸かしたお湯にイモムシを5分間ほどつける。(干しイモムシの場合、保管している間に別の虫がイモムシを食べていることがあるので、それらの虫や、その死骸およびその糞などは取り除いて捨てる。)
3) お湯でふやかしたイモムシを水で洗う。
4) 鍋に火をかけ、油を大匙2ほどひく。
5) 手順3)で洗い終えたイモムシを4)の鍋に入れ、塩を大匙1ほど入れる。
6) 強火で鍋の中身をかき混ぜる。(油は多めに入れて、揚げるような要領で調理する。)
7) 手順5)から約10分後、油を大匙2ほど鍋に足す。
8) 玉ねぎ1個とトマト1個を、みじん切りよりは粗めに、小さめに切る。
9) 手順7)から約10分後、火にかけているイモムシが、手順2)で一度お湯につけてやわらかくなった状態から再びかたくなってきたら、手順8)で切った玉ねぎを鍋に入れて、かき混ぜる。
10) 数分後に、手順8)で切ったトマトを鍋に入れて、かき混ぜる。
11) 約10分後、野菜に十分火が通ったところで、できあがり。
フィールドメモ
ザンビア食のなかでもイモムシ料理は有名(特に北部州の民族ベンバ人たちが食べることが知られている)だが、人によってはアレルギーがあったり、お腹をくだすのであまり食べられない人もいる。また、原料となるイモムシが捕獲されるのは、1年に1度(10月終わりの雨季のはじまり)で、採集後に干すことなくすぐに調理して食べることもある。さらに、トマトや玉ねぎを入れずに調理してもよいとのこと。しかし、干しイモムシのほうがよい味で、トマトと玉ねぎと合わせるのが一番!というのが、このレシピを教えてくれた女性(首都ルサカで生まれ育ったベンバ人)の談。ちなみに、ザンビアのほかの副食を調理する際も、トマトと玉ねぎは欠かせない。
紹介者:大門 碧