料理名(日・英・現地語)
ナマズのトマト煮込み(日)
somba(サンダウェ語)
食されている国や地域
タンザニア ドドマ州チェンバ県
この料理って?
アフリカの広い地域でナマズは食べられているが、タンザニア中央部に暮らすサンダウェという人びとは、やわらかいナマズの肉を煮崩れせずに調理する工夫をしている。”somba“とはサンダウェ語で魚一般を指す語で、ナマズ固有の名前は別にあるものの、この地域でとれる魚の料理はナマズだけなので、この料理は一般的に”somba”、つまり「魚」と呼ばれている。
材料4 ~5人分
- ナマズ(30~40センチ大のもの)1匹
- トマト(中サイズ)3個
- 玉ねぎ少量
- 油大さじ3
- 塩適量
- レモン(あれば)1個
調理手順
1) ぬるま湯でナマズの表面のぬめりを落とす。ナイフで表面をこそぐようにすればとりやすい。
2) 腹に切り込みを入れて内臓を出し、適当な大きさにぶつ切りにする。肝臓とタマゴ以外の内臓は捨てる。
3) 内臓を除いた腹にレバーとタマゴを戻し、煮崩れしないようにヒモでしばる。
4) 直径1センチほどのトウモロコシの茎を適当な長さに折って鍋底に敷き詰め、その上に魚を載せる。こうすることで、魚が直接鍋底に触れて焦げたり崩れたりするのを防ぐ。
5) 塩をふり、あればレモン汁をかけて、魚が3分の1くらいひたる量の水を入れ、火にかける。
6) 沸騰したら細かく切ったトマトと薄くスライスしたタマネギ、油を入れて、さらに20~30分煮込んで出来上がり。
フィールドメモ
タンザニアの中央部は雨の少ない半乾燥地帯で、雨季に川の水量が増えてからの短い時期にのみナマズが手に入る。多くは生のまま調理をするよりも、日持ちがするように燻製にして保存し、それをトマトやタマネギを入れたスープで煮込む。もちろん燻製もおいしいが、生のまま調理をすると、身がほろほろとやわらかく、とてもおいしい。カメルーンのレシピ「コンゴ川産ナマズのブイヨン」と非常によく似ているので、そちらもご参考に。
紹介者:八塚 春名