チプシ・マヤイ(フライド・ポテトのオムレツ)

料理名(日・英・現地語)

chipsi mayai(スワヒリ語)

食されている国や地域

タンザニア

この料理って?

タンザニアのファーストフードの代表格。タンザニアの街を歩いていると、食堂やバーの軒先に置かれた炭のコンロで調理されているのを見ることができます。懐具合が悪くなければ、牛肉の串焼きを添えれば豪華な食事になります。チプシはフライド・ポテトのこと。マヤイは卵。フライド・ポテトを卵でとじただけのシンプルな料理です。その見た目から「ゼゲZege」(コンクリート)とも呼ばれます。

ローカルバー。手前の大鍋でポテトを揚げる

材料1

  • ジャガイモ  中2個
  • 1~2個
  • サラダ油(大量)大量
  • 適量
  • トマトケチャップ適量
  • お好みでタマネギ、ニンジン、ピーマン(みじん切りいれると見た目が華やかに)適量

調理手順

1)ジャガイモを切る(薄い目のくし切り)

 

 

 

2)ジャガイモを油で揚げる(#1)。タンザニアのバーでは意図的ではなさそうだが、カラッとは揚げない。

溶き卵でとじる

3)中火で熱を入れたフライパンにジャガイモを敷き詰め、溶き卵(塩を入れる)を流しいれる。タマネギ等のみじん切りを入れたい場合は、卵にまぜておく。

完成。この日は淡路島の新タマネギで作ったカチュンバリとレンジでチンした焼き鳥を添えいただきました。

4)両面を焼けば出来上がり。お好みでカチュンバリ(トマトとタマネギのサラダ)(#2)添えるか、トマトソースやチリソースをかければ完成。

#1 オーブンレンジで調理すれば油で台所が汚れる心配もいりません。グリル用のパンを用意。オリーブオイルを薄く引いたクッキングシートにジャガイモを並べ、上からオリーブオイルを少したらしオーブンで焼くだけ(時間設定はメーカーによる)。

オーブンで焼くとすこし楽です。

#2 カチュンバリのレシピ。タマネギ、トマト、レモン、塩があればすぐにできます。

完成。この日は淡路島の新タマネギで作ったカチュンバリとレンジでチンした焼き鳥を添えいただきました。

完成。この日は淡路島の新タマネギで作ったカチュンバリとレンジでチンした焼き鳥を添えいただきました。

フィールドメモ

早朝のダルエスサラーム。多くのリヤカーが野菜や炭などを満載して走っている。毎朝、私の行きつけの食堂(夜はバー)にも大量のジャガイモやニンジンなどが届けられる。バーの奥では、村から出てきたばかりであどけなさの残る料理人見習いたちが、ジャガイモの皮向き作業を延々と続けている。下積み時代の作業だ。見習いたちは、しばらくするとジャガイモを揚げるようになり、片手でフライパンを操りチプシ・マヤイを裏返すようになる。ヤギやチキンを絶妙な火加減で焼けるようになる頃には、オーナーから食材を渡され、キッチンの運営を任されるようになる。多くの場合、決められた額の売り上げをオーナーに渡すことになっており、もし決められた額よりも多く稼げば、それは懐に入る。

「少しちょろまかすくらいの才能がないとだめだ」と教えてくれたのは、私の行きつけの食堂のオーナーだ。彼の店には彼を頼って村から出てきた「弟」(血縁関係でない若者もいる)たちが働いていたが、オーナーの彼は「トゥパキは、うまくやっている」、「ゴディは、だめだ」と「弟」たちの商才を観察していた。10年後、トゥパキは自分の食堂を経営し始めていた。ゴディは雇われ料理人のままだ。トゥパキとゴディが焼いたチプシ・マヤイは美味かった。しかし、今思い返すとトゥパキが焼いたチプシ・マヤイは、わずかに小さかったような気がする。