紹介:桐越仁美
本書は、明石書店が刊行するエリア・スタディーシリーズの92巻目にあたる『ガーナを知るための47章』の第2版である。本書の初版が刊行されたのは2011年であり、約15年の時を経て刊行された。本全体の構成は初版を踏襲しており、歴史や風土のような内容が大幅に変わらないものは、初版の執筆者にアップデートしつつ再掲してもらっている。さらに、若手の研究者や大学院生、現地で活動する企業や団体の方などたくさんの人に加わってもらい、よりフレッシュな内容になるように構成されている。アフリック・アフリカのメンバーも複数名が執筆に関わった。
2013年に私が初めてガーナを訪れたときは、本書の初版を相棒にした。初版では地理や歴史、文化、風土に焦点が当てられており、ガーナの基本を学ぶのにとても重宝した。第2版は基本の情報はそのままに、より現代ガーナにクローズアップした内容になっている。伝統的なガーナがどのように継続しているのか、変化しているのか、ダイナミックなガーナの躍動を感じられる。とくに新鮮なのが、スマートフォンの普及、コロナ禍を経た社会と生活の変化、伝統産業の変遷、人びとの交流と広がり、日本との多面的なつながりなどのテーマだ。10年以上ガーナに通っている私も知らない「今のガーナ」が生き生きと描き出されていて、大変興味深い内容になっている。初版と比べて読むことで、現代ガーナの急速な変化を体感できるに違いない。
さらに本書のカバー写真にはちょっとした工夫が施されている。表面はガーナの農村で変わらず見られる子どもたちの無邪気な笑顔で飾られているが、裏面は2018年に新規オープンしたコトカ国際空港のターミナルが掲載されている。表ではいつまでも変わらないガーナらしいガーナを、裏ではグローバル化が進展する近代的なガーナを見せることで、現代ガーナの両面性を表現している。このような細かな工夫がほかにも施されているので、ぜひ探してみてほしい。
本書は以下の6部に分かれ、57の章と19のコラムから構成される。
Ⅰ 私たちとガーナ
Ⅱ 自然と地理
Ⅲ 文化と暮らし
Ⅳ 社会と人々
Ⅴ 歴史
Ⅵ 世界の中のガーナ
アフリック会員の書いた章・コラムは以下の通りである(掲載順)。
- 牛久晴香 第26章、第57章、コラム12
- 織田雪世 第19章、第27章
- 桐越仁美 第10章、第40章
- 田中優花 コラム13
書誌情報
出版社: 明石書店
定価:2,400円+税
発行:2025年10月
単行本(ソフトカバー) 400頁
ISBN-10: 4750359920
ISBN-13: 978-4750359922
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