第101回アフリカ先生報告(大分県中津市立深水小学校、2020年2月20日)

池邉 智基

大分県中津市立深水小学校より、総合学習の時間にアフリカ先生を実施していただきたいとのご依頼を受け、授業をしました。この深水小学校は全校生徒7人で、いわゆる限界集落にある小学校です。今回の授業では、子どもたちだけでなく、教職員や深水地区の区長など、合計15人が授業にご参加いただきました。

授業は2時間目と、中休みを挟んで3時間目までの、合計1時間30分間行いました。授業内容は、アフリカの位置を、地図を見ながらどこにあるかを探したり、どんなところかを想像してもらうところからはじめました。ゾウやキリンなどの動物がたくさんいる土地だったり、砂漠だったり、熱帯雨林だったりと、写真を使いながら説明をしながらたくさんのアフリカの姿があることを示しながら、私の調査地であるセネガルへと対象を移しました。たくさんの言語がある状況や多様な文化が入り交じる衣食住について、写真や映像を使いながら説明を行いました。その上で、子どもたちの目線でアフリカと日本の似ているところと、違うところを比べてみることを伝えました。

また、授業では、国立民族学博物館の「みんぱっく」を使って、子どもたちに実際にモノを手にとってもらって想像を膨らませてもらうことを意識しました。子どもたちにとって非常に新鮮だったようで、帽子をかぶったり、服を着てみたり、触って感じてみたことでいろんな意見や感想を話してくれました。遠いアフリカ社会だけでなく、そこに息づく多様なイスラーム文化についてイメージを広げられたようでした。授業では、実際にセネガルで一般に行われる挨拶をいっしょに口にしながら、それがアラビア語とフランス語、ウォロフ語が混じり合って使われていることなども説明しました。

生徒数7人とはいえ、小学2年生〜6年生が混じっている教室で、どのような説明をすればよいかはじめは悩みましたが、案外子どもたちはあっけらかんとしていて、授業中にもたくさん発言し、中休みにも休憩をとらないままずっと「みんぱっく」の資料を触りながら、私に熱心に質問してくれました。とてもよい環境で授業ができたと思います。今回の授業を企画してくださった校長先生および教職員のみなさま、深水校区のみなさま、そして深水小学校の子どもたち、ありがとうございました。

※授業風景の写真は許諾を得て掲載しています。転載禁止。