第55回アフリカ先生「いまづ環境学公開講座」(兵庫県立西宮今津高校)報告

「変化の波に揺られて −森の民バカ・ピグミーの暮らし−」 (2010年10月28日 地理B)

服部 志帆

10月半ばから終わりにかけて名古屋でCOP10(第10回生物多様性締約国会議)がひらかれたことをうけて、いま国際的に注目を浴びている、生物多様性の保護と伝統社会に暮らす人々の権利についてお話ししました。取り上げたのは、2000年から私が関わりを持っているカメルーンの森の民バカ・ピグミーについてです。

森に強く依存したピグミーの文化を紹介し、ピグミーの文化が伐採事業やピグミーを森から排除することによって自然を保護しようとする政策によって、大きく変わりつつあることを話しました。そして最後に、この地域で長い年月をかけて育まれてきたピグミーの文化を考慮した開発や自然保護を考え直す必要があるのではないかと、問いかけました。授業を受けてくれた学生さんは、自分たちとは異なる森の文化に関心を持ってくれ、とくに食事や動物について質問をくれました。学生さんのなかに、アフリカの森のお話がどのように届いたかわかりませんが、いずれかの機会に芽を出してくれるとうれしいです。