紹介:浅田静香
本書は明石書店が刊行するエリア・スタディーズシリーズの一冊であり、2012年に出版された『ウガンダを知るための53章』の第2版となる。ウガンダは日本の本州とほぼ同じ面積をもち、ケニア、タンザニア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、南スーダンに囲まれた内陸国である。また、第二次世界大戦前にはウガンダ綿を日本に輸入し、綿布をウガンダへ輸出していた歴史を持つほど、日本と長期にわたって関係のある国でもある。本書では、第2版で新たに加わった8人を含め合計38人の編者・執筆者によって、ウガンダの幅広いトピックを概説している。
本書は下記の6つの部で構成されている。
- 国土の特徴と住民
- 激動をくぐり抜けた歴史
- 行政と経済・生業
- 社会と暮らし
- さまざまな文化活動
- 開発と現代的課題
初版の内容を引き継ぐ章がある一方で、初版が出版されて以降の変化、特に世界的に影響の大きかった新型コロナウイルスの感染拡大の影響についても触れられている章もあり、今のウガンダをあらゆる側面から知ることができる。
私事で恐縮だが、私は初版が出版された2012年に大学院に入学し、同年の8月に現地調査のため初めてウガンダへ渡航した。フィールドにいると日々多くの疑問に遭遇し、その度に本書を開いて目次から関連する章を探して読み込んでいた。また、フィールドの人と話すときに本書で知ったことを話題に上げると、より詳しく教えてくれたこともあり、本書にはたいへんお世話になった読者のひとりである。本書の4頁にあるよう「ウガンダにすでに関心を持っている人だけではなく、これから関心を持つかもしれない人たちや、ウガンダ研究を志している若者たち、そして職務でウガンダに関係することになった人たち」の多くに手に取っていただきたい。
アフリック・アフリカ会員の担当コラム・章
大門碧(42章、43章、45章、コラム10、コラム11、コラム12)
山崎暢子(21章)
浅田静香(35章)
書誌情報
出版社: 明石書店
定価:2,000円+税
発行:2025年1月
単行本(ソフトカバー) 420頁
ISBN-10: 4750358290
ISBN-13: 978-4750358291
商品URL:https://amzn.to/3R6bqT2