『ぼくの村がゾウに襲われるわけ。-野生動物と共存するってどんなこと?』 岩井雪乃=著

紹介:岩井 雪乃

このたび、セレンゲティ・人と動物プロジェクト「アフリカゾウ基金」で取り組んできた活動を書籍にまとめて刊行しました!!タンザニアでの20年にわたる研究と地域活動をようやく形にし、応援いただいた多くの方々にお見せすることができて、たいへんうれしく思っています!

タンザニア・セレンゲティ地域の人びとは、欧米からもたらされた動物保護政策によって、土地を奪われ、狩猟する権利を奪われてきました。さらに近年では、アフリカゾウによる農作物被害・人命被害が深刻化しています。そんな苦境におかれた住民の声をより多くの方に知ってほしいと、「中学生にもわかる世界の課題」としてわかりやすくまとめました。写真の多い、読みやすい本になっています。

本書のメッセージは以下の二つです!

  • 「手つかずの自然」はない
  • 「人間」をひとくくりにしないで

詳細は、ぜひ本文をお読みください!

「自然保護」「国立公園」「アフリカゾウ保護」は、生物多様性が失われる地球上で必要なことです。しかし、そこでは「メリットを享受する人びと」と「デメリットを被る人びと」の格差が生じています。簡単に解決策を見いだすことのできない現状を、この本をつうじて多くのみなさまと考えることができれば幸いです。

今後とも、セレンゲティの人びととともに、ゾウ被害問題に取り組んでいきます。引き続き「アフリカゾウ基金」の応援、よろしくお願いします!

目次

第1章 大草原・子どもたちの村がゾウに襲われる
第2章 草原の村を追い出された人びと
第3章 密猟者の村といわれたが…… 伝説の象牙と生きているイコマ民族
第4章 村びとが大草原から追い出され「野生の王国」が誕生したわけ
第5章 「自然保護」によって土地を奪われる先住民たち
第6章 動物を保護しながら、人びとの暮らしを守るには?
第7章 ゾウとの共存をめざす村びとたち
第8章 わたしたちにできること

書誌情報

出版社:合同出版
定価:1,400円 +税
発行:2017年 7月
出版社のサイト http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=553