『タンザニア民話とティンガティンガ−虹の七色どこからきたの?』 アブダル A. ムクーラ=絵、宇野みどり=文

紹介:藤本 麻里子

目次

第一話 虹の七色どこからきたの?
(Asili ya rangi saba za upinde ni nini?)
第二話 キリンはなぜなかないの?
(Kwa nini twiga halii?)
第三話 ツチブタはなぜかなしそうな顔をしているの?
(Kwa nini mhanga ana uso wenye huzuni?)
第四話 ヒョウはなぜえものを木の上にかくすの?
(Kwa nini chui huficha chakula juu ya mti?)
第五話 カバはなぜ川にすみ、毛皮をきていないの?
(Kwa nini kiboko huishi mtoni na hana manyoya?)
第六話 サルはなぜいつもノミとりをしているの?
(Kwa nini tumbili wanapekuana viroboto?)

本書、『タンザニア民話とティンガティンガ−虹の七色どこからきたの?−』は、タンザニアの民話6編が、スワヒリ語と日本語訳でそれぞれ書かれています。文章だけではなく、各民話に関連のある絵が、タンザニアの有名なポップアート、ティンガティンガ絵画により描かれており、大変美しい絵本です。また、各民話には格言が隠されており、民話の最後に紹介されています。タンザニアはたくさんの野生動物が生息していることで有名な国であり、国語であるスワヒリ語には、動物に関する様々な格言、諺があり、本書では民話といっしょにスワヒリ語の格言を学ぶこともできます。

さらに、本書にはCDが1枚付属しており、各民話がスワヒリ語で語られています。スワヒリ語を勉強している方にとっては良いスワヒリ語の教本になりますし、スワヒリ語を知らない人にとっては、書かれた文章だけでなく、スワヒリ語がどんな言葉なのか、その音声からスワヒリ語の世界を感じることができます。本の最後には、タンザニアの概要や文化、スワヒリ語についての解説もあり、これまでタンザニアとは無縁だった人にも、その地理的位置づけや国の概要などを知る良い手がかりになります。

本書はタンザニアの民話、タンザニアの格言、スワヒリ語とその音声、ティンガティンガ絵画など、1冊でタンザニアのあらゆることを知ることができる、とても楽しい本です。ぜひ一度手に取り、CDでスワヒリ語の世界に浸りながら、ティンガティンガ絵画を眺めてみてはいかがでしょうか。子どもから大人まで様々な方にお勧めの一冊です。

書誌情報

出版社: 国際語学社
発行:2005年12月
CD BOOK
ISBN-13: 978-4877312848


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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。